強烈な軋みのカノンによるカラビスのチェンバロ曲
同じ「大王のテーマ」を使ったイサン・ユンの無伴奏ヴァイオリン曲
刺激的カップリングがバッハの『音楽の捧げもの』の現代性を裏付ける!
バッハがフリードリヒ大王に与えられた主題を用いて作曲した『音楽の捧げもの』(1747)は、『ゴルトベルク変奏曲』や『フーガの技法』といったバッハ晩年の単一主題による一連の対位法的器楽作品のひとつであり、2つのリチェルカーレ、10のカノン、トリオ・ソナタから成る異質な構成を持ち、謎に満ちた現代音楽のような響きすら登場し、強烈な印象をもたらすという点においては、バッハのなかでも唯一無二の存在と言える曲集です。
2003年に創設された古楽アンサンブル「ネオバロック」による当アルバムは、明らかにバッハを意識した20世紀作品であるヴィクトル・カラビス[1923-2006]の『カノン・インヴェンション』(1962)およびフリードリヒ大王の同テーマを基にした無伴奏ヴァイオリン作品である尹伊桑(ユン・イサン)[1917-1995]の『大王のテーマ』(1976)と共に『音楽の捧げもの』を演奏するという意欲的な企画。古楽畑の名手たちがこれらを演奏することにより、時代を超えた対位法の妙が響きあうたいへん刺激的な音楽対話が生まれます。(輸入元情報)
【収録情報】
01. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜3声のリチェルカーレ
02. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜2声の逆行カノン
03. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜2つのヴァイオリンによる同度のカノン
04. カラビス:チェンバロのための6つの2声カノン・インヴェンション Op.20〜第1番:5度のカノン
05. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜2声の反行カノン
06. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜2声の反行の拡大によるカノン
07. カラビス:チェンバロのための6つの2声カノン・インヴェンション Op.20〜第2番:6度のカノン
08. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜2声の螺旋カノン
09. カラビス:チェンバロのための6つの2声カノン・インヴェンション Op.20〜第3番:4声のカノン
10. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜5度のフーガ・カノニカ
11. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜王の主題による無窮カノン
12. カラビス:チェンバロのための6つの2声カノン・インヴェンション Op.20〜第4番:8度のカノン
13. 尹伊桑:ヴァイオリン独奏のための『大王のテーマ』
14. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜6声のリチェルカーレ
15. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜無窮カノン
16. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜2声の謎カノン
17. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜2声の謎カノン
18. カラビス:チェンバロのための6つの2声カノン・インヴェンション Op.20〜第5番:7度のカノン
19. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜4声の謎カノン
20. カラビス:チェンバロのための6つの2声カノン・インヴェンション Op.20〜第6番:3度のカノン
21. J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV.1079〜トリオ・ソナタ
ネオバロック
ヤン・デ・ウィンネ(トラヴェルソ)
マレン・リース(バロック・ヴァイオリン、ヴァイオリン、バロック・ヴィオラ)
アンネ・フォン・ホフ(バロック・ヴァイオリン、バロック・ヴィオラ)
ナザール・コジュハル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
スタニスラフ・グレス(チェンバロ)
録音時期:2024年7月23-27日
録音場所:ベルギー、ボラン、サン=アポリナール教会
録音方式:ステレオ(デジタル)