CD

6 Cello Suites: Badiarov(Vc Da Spalla)

Bach (1685-1750)

User Review :5.0
(3)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
RAM1003
Number of Discs
:
2
Label
:
Format
:
CD

Product Description

バッハ:無伴奏チェロ組曲〜ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによる全曲録音〜
ドミトリー・バディアロフ

日本語解説付き

チェロを縦にかまえるようになったのは、実は意外と最近のこと?
「肩からかけるチェロ」ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの再発見に大きく寄与した楽器製作者=プレイヤー、日本でも旺盛な活動を続けてきたバディアロフが、ついに録音した本命大作!

ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ。ここ近年、日本の古楽ファンのあいだでも話題を呼んできた謎の弦楽器! なにしろ日本でも有名なシギスヴァルト・クイケンや寺神戸亮といった「バロック・ヴァイオリンの大御所」たちが、チェロのレパートリーやチェロ・パートを続々この楽器で演奏しはじめたのですから、聴き手の側でも騒然となるのは必至というもの。
 ヴィオロンチェロとはご存知のとおり、チェロのイタリア語によるフルネーム。「ダ・スパッラ」とはイタリア語で「肩の」という意味。ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラとは、普通よく知られているチェロのように縦に構えるのではなく、エレキギターのように紐をめぐらせて肩にかけ、ヴァイオリンのように横に構えて弾くチェロなのです。実際、古楽盤のジャケットなどでもよく見かけるルーヴル美術館の目玉大作のひとつ、ヴェロネーゼの『カナの婚礼』の画面中央にいる楽師に代表されるとおり、古い絵画資料にはそうやってチェロを横に構えている例のほうが(ことによると、チェロを縦に構えている例より?)圧倒的に多いため、実はこの弾き方のほうが昔はスタンダードだったのでは、という説さえ昨今では提案されているほどです。バッハの『無伴奏チェロ組曲』は第6組曲が通常のチェロではたいそう弾きにくく、別の古楽器のために書かれたのでは? とピッコロ・チェロを使う古楽奏者もいたのですが(たとえばA.ビルスマ)、近年では左手がヴァイオリンと同じような指使いで弾けるヴィオロンチェロ・ダ・スパッラでの演奏も市民権を得始めているようです。現代チェロのようにエンドピンで床と接しているわけでもなければ、バロック・チェロのように楽器を挟んだ両足を通して床へ振動が伝わるわけでもない、ある種の浮遊感さえ漂う不思議な音色の魅力は、ここ2、3年のあいだ日本でもさかんに続けられてきたスパッラ擁護派のライヴ活動によって、かなり広く知れ渡っているのではないでしょうか。
 この擁護派の最重要人物の一人が、オランダやベルギーで古楽を学び、2007年から2009年まではなんと他ならぬ日本に拠点を置いていた古楽器製作家=奏者、ドミトリー・バディアロフ。シギスヴァルト・クイケンや寺神戸亮といった偉大な古楽器奏者たちのライヴで使われているヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの製作者として、また彼自身の日本での旺盛なライヴ活動を通じ、明敏な古楽系バッハ・ファンの方々ならば既にご存知のことでしょう。
 古楽器の音色を活かした自然派録音が魅力の「Ramee」は、プロデューサー=録音技師ライナー・アルントがラ・プティット・バンドやリチェルカール・コンソートで演奏してきたバロック・ヴァイオリン奏者ですから、演奏者との深い協力関係のなかで、スパッラの味わいを周到に伝える録音が味わえるに違いありません。見逃せない注目盤です!(マーキュリー)

【収録情報】
・バッハ:無伴奏チェロ組曲 BWV1007-1012〜ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによる全曲録音〜

 ドミトリー・バディアロフ(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ)

 録音時期:2009年5月
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

*この商品は、別冊の日本語解説書を輸入盤に添付したものになりますので、ブックレットやCD自体は輸入盤と同一です。

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
3
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
近年稀に見る名演だと思います。活き活きと...

投稿日:2011/08/20 (土)

近年稀に見る名演だと思います。活き活きとした伸びやかな、しかも、適度に重厚感のある、とても深みのあるバッハ演奏だと思います。日本語解説が非常に面白くて勉強になりました。ぜひ多くの方々に聴いていただきたいと思います。

3
★
★
★
★
★
自分のようなBachファンでも滅多に出会う事...

投稿日:2010/11/03 (水)

自分のようなBachファンでも滅多に出会う事のない、素晴らしい無伴奏チェロ組曲と思います。楽器のことはさておき、決して器用でも流麗でもない演奏で、楽想に呼応した細かなテンポの揺れ、強弱の細い上下、ヴィブラートなど、人によってはアクが強いと感じられるかも知れません。しかしながら、それが全く恣意的な印象を受けず自然なのは、近年多い他の主情的な演奏と異なり、バディアロフ氏の演奏が、古楽器製作者・古学研究家/演奏家として、この時代の(おそらく)音楽だけでない幅広い社会・文化を研究し、その紹介・再現を実践してきた経験を、あくまで基盤としているからではないでしょうか。Bachがこの曲集で語りたかった思想を十分に理解した上で、それを自分の言葉として訥々と時間をかけて語り尽くす様が、例えようもなく感動的で、それはまさに、この曲集を世界で初めて発掘したカザルスが、行った作業に他なりません。最後の大規模な6番など、これだけの内容を聞ける演奏は滅多にないと思います。Spallaという楽器の正当性については、専門的に語る資格を有しませんが、確実に言えることは、聞いていて「やっぱりチェロの方が...」という想いは一度も浮かびませんでした。これはバディアロフ氏の師のKuijken、先輩(多分)の寺神戸氏の同じSpallaによる無伴奏チェロ組曲の演奏ではなかったことで、正直、この楽器を自在に扱い表現することにかけては、この二人を完全に越えていると思います。Spallaによる演奏にマイナスイメージを持つ方にも、ぜひ一度聴いてみて欲しいですね。楽器の問題を超えて、数多ある無伴奏チェロ組曲の中でも(30数種類位しか聴いてませんが)、決して多くはない、「Bachに忠実な」素晴らしい名盤ではないかと思います。

mimi さん | 兵庫県 | 不明

2
★
★
★
★
★
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによる無伴...

投稿日:2010/10/30 (土)

ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによる無伴奏組曲には、シギスヴァルト・クイケンの録音もありますが、弟子であるバディアロフの今回の録音のほうが私の好みに合います。この録音を聴いて初めて、少なくともコンサート・チェロよりもスパッラの方が自在にバッハを演奏できると思うようになりました。大変に優れた技術と音楽性を示す演奏です。 レニングラード音楽院で厳しく鍛錬したコンサートヴァイオリンの基礎が生きていますね。古楽器にはコンサート楽器の基礎がある方がよいことの立証にもなります。この作品の演奏史における偉業のひとつでしょう。 スパッラを復元した製作家であり、かつ第一級の演奏家でもある、羨むべき才人です。前途を祝福したいと思います。

solomon さん | 東京都 | 不明

2

Recommend Items