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霧のむこうに住みたい

Atsuko Suga

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309015293
ISBN 10 : 4309015298
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2003
Japan

Content Description

これまで単行本に未収録だったエッセイを中心にまとめた1冊。表題作をはじめ、「ジェノワという町」「ビアンカの家」「古いイタリアの料理書」など、須賀文学のエッセンス29篇を収録。

【著者紹介】
須賀敦子 : 1929年兵庫県生まれ。聖心女子大学卒業。1953年よりパリ、ローマに留学、その後イタリアに在住し、1961年ミラノで結婚。数多くの日本文学の翻訳紹介に携わる。夫の死後、1971年帰国。上智大学比較文化学部教授。『ミラノ霧の風景』で、1991年講談社エッセイ賞、女流文学賞受賞。1998年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • はたっぴ

    須賀さん4冊目。一日の終わりに自分へのご褒美に読みたくなる作品だった。須賀さんに朗読してもらっているような気分で、ゆっくりゆっくり味わう。29編のエッセイは短いものが多く、とても読みやすい。そしてどの登場人物にも親しみを感じてしまう。読んでいるうちに、15年前に両親を連れて旅したローマ、ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、アッシジの風景が目の前に甦り、住んだわけでもないのに郷愁にかられてしまった。過去の遺物をそのまま残して、歴史を重ねていく国を、生活の場として選んだ須賀さんの魂に深く感化されつつ読了。

  • ネギっ子gen

    【一つにつなげるため、旅を続けている】単行本に未収録のエッセイを中心にまとめた、(書評集や日記などを除き)最後の作品集。「雨の日に繙く」と題した解説者は、江國香織。2003年刊。「フィレンツェ 急がないで、歩く、街。」:<いつの頃からか私は、フィレンツェの街を、ただ用もなく歩くのがすきになった。街を、それも旧市街を、ただ、歩く。できれば、急がないで、歩く。でも、漫然、というのとはちょっと違って、両側の店なんかを見ながら、歩く。目的地はあるけれど、急ぐほどではない、というくらいが、理想的かもしれない>と。⇒

  • かりさ

    遠い異国の街並み、石畳、風景を流れる川や丘。須賀さんのイタリアでの生活を記憶を織り交ぜて書かれた29編のエッセイ。端正な文章がとても心地よく、何度も何度も行きつ戻りつしながら浸っていました。解説の江國香織さんの須賀さんの御本を読むと「雨が降っている気分になる」にとても共感しました。そしてそれは雨の日の読書がとても特別なこと、それが須賀さんの本であることに、ことさらの特別感を味わう読書の時間なのです。豊かでふくふくと気持ちが温かく膨らみ包まれるような安堵感。須賀さんの文章にはいつもそんな感覚を思います。

  • 刊行の2003年当時、単行本に未収録だったエッセイを中心に纏められた一冊です。解説が江國香織さんという、わたしにとっては非常に嬉しいおまけつき。今までによんだ『ユルスナールの靴』『トリエステの坂道』『ヴェネツィアの宿』『コルシア書店の仲間たち』が、濃厚な味のバニラアイスだとしたら、本作はさらっとした甘さをもつ、果物のシャーベットのよう。凛としていて静謐な雰囲気の漂う文体は、何気ないお話のなかにもあらわれており、よんでいて心の波が平らかになってゆくのを感じました。

  • Eee

    ひとつひとつがあっさりとしたエッセイでした。イタリアに行ったことはないですが、その場所に立ったような気持ちで読み進めました。あとがきの江國さんが記されたように、どこか雨が降っている気がしてなりませんでした。実際に降っているわけではないですが、しっとりとしてほの暗い感じ。綺麗な日本語と素敵な情景に魅了されました。、

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