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功利主義をのりこえて 経済学と哲学の倫理

Amartya Sen

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784623086092
ISBN 10 : 4623086097
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

われわれに功利主義はのりこえられるのか―本書は、世界的に活躍する経済学者・哲学者らによる功利主義の擁護とその批判を収録した古典的名著である。道徳、政治哲学のみならず経済学、社会的選択の理論にかかわる論点を提示し、功利主義に潜む一元化への警鐘をならす。学問の方法論的土台をめぐり経済学と哲学のあいだで熱い対話がいま再びはじまる。

目次 : 功利主義をのりこえて(アマルティア・セン/バーナード・ウィリアムズ)/ 倫理学理論と功利主義(R.M.ヘア)/ 道徳性と合理的行動の理論(ジョン・C.ハルサニー)/ 功利主義の経済的な利用法(J.A.マーリース)/ 功利主義、不確実性、情報(ピーター・J.ハモンド)/ 契約主義と功利主義(T.M.スキャンロン)/ 善の多様性(チャールズ・テイラー)/ 道徳と慣習(スチュアート・ハンプシャー)/ 社会統合と基本財(ジョン・ロールズ)/ 功利主義的経済学者が抱える諸難題(フランク・ハーン)/ 功利主義、情報、権利/ 酸っぱい葡萄―功利主義と、欲求の源泉/ 自由と更正/ どの記述のもとで?/ 学校に行くことの有用性は何か?―功利主義と権利論における教育の問題

【著者紹介】
アマルティア・セン : 1933年生まれ。1959年にケンブリッジ大学から経済学の博士号を取得。現在、ハーバード大学の経済学と哲学の教授。貧困・不平等・不正義などの問題への接近を可能とするセン型社会的選択理論、潜在能力(ケイパビリティ)アプローチなど独自の理論を開発するとともに、倫理と哲学の視点から経済学理論の枠組みを大きく拡張した

バーナード・ウィリアムズ : 1929〜2003年。2002年にケンブリッジ大学から哲学の博士号を取得。分析哲学が得意とする論理的アプローチならびに倫理学が得意とする事例的アプローチの両方を駆使して、具体的現実を象徴的に捉える独自の倫理学・哲学を構築した

後藤玲子 : 1958年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科理論経済学専攻博士課程修了。経済学博士。現在、一橋大学経済研究所教授(経済哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • sayan

    昨年、イギリス政府(内務省)は社会統合フレームワークを更新した。当然、かの国で生まれた功利主義=「最大多数の最大幸福」を中心とする価値観が反映されいると思いきや、驚いたことに個人の「権利と責任」に重きを置いた。それは功利主義の対抗案として示されるジョン・ロールズの「(社会)契約論」が反映されていた。本書に拠ると自分自身の権利や機会をどう利用するかは本人の責任(自由)であり、何らかの総量(最大多数)に融合できないとする。そこに引き付けた社会統合p.246-247の議論が面白い。(が、完全な理解には程遠い。)

  • evifrei

    哲学と経済学・倫理学を横断して功利主義を論じた論文集。自覚的か無自覚かは置いておいて、功利主義は多くの人が自分の正義や価値を正当づけるために一度は近付いた事のある思想であろう。本書では功利主義を乗り越えられるべき梯子として捉え、問題点や限界などを含めて緻密な検討を加える。功利主義にも様々な立場がある事から、自分が如何なる立場をとるかを明確にしないと産業革命が『正しい』事か否かも決定できないという指摘は唸らされた。難易度は極めて高いのだが、当たり前だとして深い考察を怠っていた『足元』的な部分にも光を照らす。

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