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アマルティア・セン講義 グローバリゼーションと人間の安全保障 ちくま学芸文庫

Amartya Sen

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480098191
ISBN 10 : 4480098194
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

21世紀に入ってもなお、世界中に蔓延しつづける貧困、飢餓、不平等。それらが是正されない理由としてしばしば槍玉に挙げられるのが「グローバリゼーション」である。だが、諸文明の交流の歴史を辿るなかで見えてくるのは、グローバリゼーションは決して新しい現象でもなければ、西洋的価値の単純な押し付けでもないという厳然たる事実だ。現代のグローバル化を歴史的に位置づけ、「人間の安全保障」という観点から個人の生や自由を確保する重要性を日本人に向けて説く。真に公正な世界をどうつくるか。ノーベル賞経済学者センの射程の長さがうかがえる来日講演集。

目次 : 第1章 グローバリゼーション―過去と現在/ 第2章 不平等の地球規模拡大と人間の安全保障/ 第3章 文明は衝突するのか―問いを問い直す/ 第4章 東洋と西洋―論理のたどり着くところ

【著者紹介】
アマルティア・セン : 1933年、インドに生まれる。カルカッタ大学を卒業後、ケンブリッジ大学で博士号を取得。LSE、ハーバード大学、ケンブリッジ大学などの教授を歴任。社会的選択理論や厚生経済学、開発経済学などの発展に大きく寄与し、人文・社会科学全般に影響を与える。98年には、「所得分配の不平等にかかわる理論や、貧困と飢餓に関する研究についての貢献」により、ノーベル経済学賞を受賞

加藤幹雄 : 1936年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。(財)国際文化会館にて、企画部長、常務理事、常任参与を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 1.3manen

    邦訳初出は2009年、日経連出版『グローバリゼーションと人間の安全保障』として刊行(4頁)。2002年2月に来日した際の講演と論文から成る1冊(改題 山脇直司氏による、165頁)。グローバリゼーション反対者が最も強い関心を示すのは、公平さのグローバル化であり、公平という正義が世界中にゆきわたるような国際秩序の確立を求める運動をしている場合が多い(18頁)。グローバリゼーションは、西洋化が地球規模で進行する現象であるとみなされることが多い(20頁)。

  • sayan

    援助開発関係では特に政策立案過程上、人間に伴う危機・不安を「人間の安全保障」という単語で巻き取り、「べき論」に向かう傾向が強い。センの人間の安全保障に関する議論は興味深い。が、「人間の」という単語が「集団」をあらわす点で、難民保護は人間の安全保障と結びつけるロジックが腹落ちしない。難民条約ではあくまでも「個人が命の危険、恐怖を感じる」か否かが問われているからだ。人間=個人とみなしている点では、ホッブズが「リヴァイアサン」で示した「個人(Particular Security)の安全保障」が納得感が強いな。

  • isao_key

    3つの講演と1つの論文からなる本書は、現在進行中の「グローバリゼーション」と従来の国家単位の安全保障に代わる「人間の安全保障」をどのように理解すべきかに焦点が当てられており、単なる経済学者に留まらないセンのスケールの大きな思想が伺えると解説する。グローバリゼーションを作ったのは西洋だという考え方に対して、きっぱり反対している。印刷技術は中国で発明されたが、最初に印刷された本は金剛経で、中国語訳したのはインド人とトルコ人のハーフであるクマラジーヴィ(鳩摩羅什)であり、西洋からは遠く離れた地においてであった。

  • またの名

    インド料理を代表するタンドリが元は中東から入り更に輸出された先の英国でも主要メニューになったりしてグローバル化は新しい現象ではないと説き、賢王アクバルを引用する等インドネタを擦りまくるノーベル賞経済学者の日本講演。グローバル化反対勢力のグローバルな活動を皮肉る一方で、グローバル経済の元では貧困に加えて独裁政治が生まれ易いとも指摘。「イスラム教(ヒンドゥー教やキリスト教でもいいのです)が、平和を愛する宗教であるか、戦いを好む宗教であるか、ということではありません。…それぞれの宗教の熱心な信者の中には…

  • roughfractus02

    数学化した経済のベルカーブが狂い、ブラックスワンが降臨すると哲学の必要が叫ばれる。このような時期に著者の著作が読まれるのは、東西冷戦後に旧共産圏の物理数学の人材が西側の経済領域に流入して数学化した世界経済が機能不全に陥り、厚生と福祉の経済が目前に出現するからである。グローバル経済を動かす功利主義と経済人概念の前提にある哲学・倫理的条件に焦点を当て、危機の場面で機能する経済を提唱した著者がノーベル賞を受賞したのは、アジア通貨危機の最中の1998年だった。不公正は硬直した行政でなく民衆が正すことを本書は語る。

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