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芸術論20講 光文社文庫

Alain

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334753047
ISBN 10 : 4334753043
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

音楽、演劇、詩、建築、彫刻に絵画。芸術作品とは、初めに構想(アイデア)があってそれを具現化したものだと私たちは考えがちだが、それは違うとアランは言う。では、どう考えるのか?戦火のなかで書きとめた『芸術の体系』に次ぐ、アランの斬新かつユニークな芸術論集。

目次 : 体系/ 芸術と情念/ 見世物芸術への応用/ ダンス/ 音楽/ 詩/ 見世物/ 衣裳/ 建築/ 彫刻/ 彫刻(続き)/ 絵画/ 絵画(続き)/ デッサン/ 芸術家

【著者紹介】
アラン : 1868‐1951。フランスの思想家。フランス各地の公立高等中学校で教師生活を送るかたわら、執筆活動を続ける。1903年、新聞で「プロポ」と題する短文の連載を始め、その後、この短文形式がアランの自由で柔軟な思想を表現する最適な形となった。1914年、46歳で第一次世界大戦に志願兵として従軍し、苛酷な戦場で『芸術の体系』を書く。1951年5月、文学国民大賞を受賞。同年6月、パリ西郊ヴェジネの自宅で死去

長谷川宏著 : 1940年島根県生まれ。東京大学文学部哲学科博士課程単位取得退学。哲学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ころこ

    20世紀の批評だと思って読むと読めない。人類学的に遡行して、各ジャンルの成立起源を考察することで、それぞれの表現の何をみたら人間の何がみえるのかを解き明かす。読み易くしようという読者への配慮があるので、鷲田清一のような身体論や人生論として読み替えて、印象に残るフレーズを記憶にとどめておく手はある。しかし現在のような題材と実証性を伴った即物的な批評ではないため、形象性のない神話を読んでいる気分にさせられて、読み続けることができない。

  • 吟遊

    アラン『芸術の体系』が構成はかなり整っていて、かつ、叙述が包括的(その分、ぶ厚い)であったのに対して、後年の講義録であるこちらは、構成も自由、一回の講義も長くはないから、途中で切れてしまう。エッセイ風のフランス・モラリスト流の筆の運びは健在で、発想のままに書かれた言葉は、やはり新鮮で、活き活きしている。だが、他方で相変わらず、前後の文脈が取りにくい。/「見世物」「衣装」にそれぞれ2章を割いているのはユニーク。軍事パレードを美しい、と評するあたりは元志願兵。屈託がない。最後の一章「芸術家」はとくに面白い。

  • たばかるB

    アランに触れたのは初だったので、一貫した芸術論の展開に面食らった。精緻な論調で小難しい印象だけれど、それが内容に引き込ませる。難度•興味の点で再読が必要。以下は注目した点の抜粋#ダンス、詩、音楽は内面を規制しつつ表現するのに対して劇や祭りといった見世物は内面の表出を避けるようだが、真の役者は自分のアイデンティティが表現の土台だと認識する。#芸術を通した社交の営みが、個々の文脈の中で鑑賞者との記号の交換、一致、強化をもたらすことによって生きる上での喜びを生じさせる。

  • ラウリスタ〜

    アランを読むのは初めて。本書では講義形式で芸術全般についてわりと抽象的な話をする。だからぼうっと読んでいると、なにが書かれているのか分からなくなりがち。でも、言っていることはそんなに特別なことではなく、むしろ教科書的なことばかりにも思えるが。カントの助けを得て発見する「美しいものは心地よいものではない」という事実や、芸術家の頭のなかに既にある構想を表現するのが芸術ではなく、制作活動を通じて曖昧模糊としたものが形を得ることなど、まあそりゃそうでしょう、なんだけれども、大事な事だから何度でも言うべきか。

  • ゆうきなかもと

    天から降って湧いてくる何かを形にするのが、アランの考える芸術家なんだと思った。言い換えれば、時代、環境、テクノロジーと個人の持っている資質が、ぶつかり合って、必然的に、ある芸術作品が生まれると言うこと。特に印象的だったのは、祭りを芸術の1ジャンルとして語っているところ。アランは独自に体系的に個々の芸術を把握していることが、「芸術の体系」と本書を読めばわかる。芸術とはなんぞやを考えたい人には多いに手がかりになると思う。

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