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透明標本 吉村昭自選初期短篇集II 中公文庫

Akira Yoshimura

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122066557
ISBN 10 : 4122066557
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2018
Japan

Content Description

『戦艦武蔵』以前の吉村文学の中核をなす自選短篇集(全二巻)。第2巻には、集団自殺へと傾斜する少年たちを描く太宰治賞受賞作「星への旅」のほか、死と隣接する独特の世界を垣間見せる表題作など、一九六一年から六六年までの七編を収める。

【著者紹介】
吉村昭 : 1927(昭和2)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。58年、短篇集『青い骨』を自費出版。66年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。73年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、79年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、84年『破獄』で読売文学賞を受賞。2006年(平成18)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • いつでも母さん

    吉村作家の自選短編集。短編なのに時間がかかる。『カラーヒヨコ』昔はお祭りか何かで売っていたなぁと、ちょっと懐かしいが、どの短編からも『死』が感じられるのだ。いろんな角度からの『死』なのだが、そこには『生』がある訳で・・吉村作家の静かな熱が伝わるような、そんな感じ。初期の頃から人の内側を透かしてみせる作品たち。タイトル作にはざわっとする冷たさを感じた。対になっているような短編集Tの【少女架刑】も読まなくては。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    誰かの生には、何かしらの死が内包されている。その事をソッと囁かれては心を騒めかせる作品集。毛糸の量産のために狭く、不衛生な籠の中に生み出されるカラーひよこ達。他の雛たちに踏み潰され、つつかれ、嬲られては息絶え、やっと育ったものも役目を終えると豚の餌になるしかない。儚い雛たちの姿を瑞々しく、見つめる少年の目線が瑞々しい「墓地の賑い」。ひたむきに生きようとしても翻弄され、すり減る雛たちの姿は人間たちの姿にも重なる。薄給の稼業を存続させるため、男に身を売る佐知子とその秘密を探る緋紗の薄氷を踏むような関係も印象的

  • 青乃108号

    少女架刑 に次ぐ吉村昭の初期短篇集。七編の短篇から成るが、「墓地の賑わい」「星への旅」の二編が印象深い。特に後者は、若者の集団自殺の顛末を描き、せまる決行の時を前に揺れ動く心の様がリアルに迫ってくる。恐怖にかられ、逃げ出そうと考えるが好機を逃し、互いの体をロープで括って崖からの投身。死の瞬間の恐怖、やがて訪れる安らぎの死。50ページあまりの短篇で完璧に語りきる、さすがの吉村昭。語り口も心地良く、懐かしい昭和の情景が目に浮かび癒される。繰り返し読みたいと思った本。そして、俺の棺に入れて欲しいと思った本。

  • アドソ

    これまで「少女架刑」しか知らなかったのだけれど、その世界が横に広がったような気持ちになる。死の香りの濃いことといったら川端康成の比ではない。しかしその香りは甘美で、観念的で、それでいて物質的。「星への旅」の緊張感はすばらしかった。これから少しずつ吉村昭を読んでみることにしよう。

  • コーデ21

    <『戦艦武蔵』以前の吉村文学の中核をなす自選短篇集>今年の夏から「熊嵐」「破獄」「破船」「戦艦武蔵」と立て続けに読了して吉村昭祭り(笑)を続行中です。淡々としたタッチのドキュメンタリー風の作風のものしか読んでこなかっただけに、本作のリリカル&死の匂いが濃い作風にはビックリ❣ 『透明標本』や『背中の鉄道』あたりは小川洋子さんを思わせる独特のモチーフ。太宰治賞受賞作「星への旅」も特異な世界に溺れることなく怜悧な視線で綴られており、さすが‼と思わせられました。

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