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海も暮れきる

Akira Yoshimura

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062769747
ISBN 10 : 4062769743
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2011
Japan

Content Description

「咳をしてもひとり」「いれものがない両手でうける」―自由律の作風で知られる漂泊の俳人・尾崎放哉は帝大を卒業し一流会社の要職にあったが、酒に溺れ職を辞し、美しい妻にも別れを告げ流浪の歳月を重ねた。最晩年、小豆島の土を踏んだ放哉が、ついに死を迎えるまでの激しく揺れる八ヶ月の日々を鮮烈に描く。

【著者紹介】
吉村昭 : 1927年東京生まれ。学習院大学国文科中退。’66年『星への旅』で太宰治賞を受賞する。徹底した史実調査には定評があり『戦艦武蔵』で作家としての地位を確立。その後、菊池寛賞、吉川英治文学賞、毎日芸術賞、読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞、日本芸術院賞、大佛次郎賞などを受賞する。日本芸術院会員。2006年79歳で他界(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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俳人尾崎放哉の主に小豆島での晩年期の話。...

投稿日:2021/04/11 (日)

俳人尾崎放哉の主に小豆島での晩年期の話。結核で闘病した著者だからわかると思わせる、死の直前の細部に渡った凄絶な描写は圧巻。放哉は何故ここまで自分を追い込んだのだろうと考えさせられる作品。

海尾水 さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • mocha

    自由律の俳人 尾崎放哉。帝大卒のエリートでありながら酒で身を持ち崩し、妻も職も失い死地を求めて小豆島へ渡った最晩年を描く。他人の温情にすがるしか生きる術を持たない放哉が、それでもプライドを捨てきれずに大言を吐く哀しさ。独りで野垂れ死にたいと言いながら毎日手紙を待つ孤独感。吉村昭氏自身の結核闘病体験から、その病の描写は鬼気迫るものがある。素晴らしい伝記文学だった。「障子開けておく 海も暮れきる」

  • mondo

    先日、吉村昭記念文学館で昭和60年にNHK松山放送局でドラマ化された「海も暮れ切る〜小豆島の放哉」を観る機会を得た。主演橋爪功以外は全て小豆島の島民で、放哉の最期の8ヶ月を描いた作品だった。それは、吉村昭の原作を忠実に描き切っていた。結核に冒され、壮絶な死に至るまでを描いた小説は、吉村昭の青年期と重ねたものだった。吉村昭は放哉が亡くなる40歳になるまでは、小説を書くことを控えていた。そして書き始めてからは、書き終えるまでは死にたくないと願って書いたという。放哉の俳句「咳をしてもひとり」が今も心に響く。

  • ともくん

    人生の最晩年、肺を病み、小豆島に辿り着いた俳人・尾崎放哉。 五七五にとらわれず、自由な作風で知られた。 放哉の人生も作風と同じく自由であった。 むしろ自己中心的である。 俳人としては有能かもしれない。 しかし、人としては最低だ。 日に日に痩せ衰えてゆく放哉を冷徹に克明に描き切った大名作。

  • kei302

    吉村先生は酒乱ではないけど、放哉と同じ病気、肺結核を若いころ患った経験から、孤独感や死の近さを感じる部分は著者と重ね合わせるような気分で読んだ。『入れものがない両手でうける』何も持たず。壮絶な生き様を見た。

  • こばまり

    やっぱり放哉やな奴だった。鮮烈な句、鮮烈な存在感。しかもあんな風に逝かれたら、遺される身は堪ったものじゃない。かねてから知りたかった俳人の生涯について、最も信頼できる作家が書いていたと知り、うれしくて飛びついた。果たして期待通りであった。

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