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小説小野小町 百夜

樹のぶ子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784296118021
ISBN 10 : 4296118021
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

千年の時を経ても語り継がれる「小町」の名。実作と伝わる和歌を拠り所に謎多き生涯を小説に紡ぎ、この女性歌人を数多の小町伝説から放き放つ。「百夜通い」とははたして―平安女流文学の原点がここにある。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    高樹 のぶ子は、新作中心に読んでいる作家です。『業平』に続く第二弾、小野小町は知っていますが、彼女の物語は初読となります。千年の美女零落の物語、雅で幽玄な世界を堪能しました。「百夜」通う情愛の凄さに驚愕です。特に小野小町&在原業平の和歌の遣り取りのシーンは見事でした。しかし小野小町の母親が、小野大町だとは思いませんでした(笑)https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/04/11/00768/

  • ちゃちゃ

    容姿端麗にして歌の才に優れ、六歌仙に唯一女性として選ばれた小野小町。その謎めいた生涯を、和歌を中心に据えて、流麗な雅文体の筆が追う。小町は幼くして鄙の地出羽を離れ出仕する。彼女の人生を決定づけた二つの“一夜”。兄と慕っった叔父良実の裏切り行為は、小町の心に深い傷を残す。一方、帝臣の宗貞(後の遍昭)への秘めた恋が叶った逢瀬は、熾火の如く胸に残り彼女のままならぬ生を支えた。小町を世に流布するイメージから解き放ち、後世に残る秀歌を詠んだ“心強き女性”として描いた樹氏。その気概と手腕に惜しみない拍手を贈りたい

  • アキ

    「業平」に続く雅文調の文章は読みづらいが、六歌仙に選ばれるただ一人の女性歌人の謎に包まれた生涯を堪能させていただきました。観阿弥の能楽で有名な百夜通いを男社会の中で造られた美女零落の物語とし、小野小町の実作と信じられる古今和歌集の十八首を中心に、平安時代の歴史を背景にした歴史絵巻とも読める物語。一気に読めました。在原業平も登場し、仁明帝の侍従・宗貞への恋慕、幼くして多賀城で生き別れた母・大町、一夜限りの逢瀬の小野良実、遍昭の死後託された文を知り、「うたたねに恋しき人を見てしより夢てふものはたのみそめてき」

  • がらくたどん

    前作『業平』以上に伝説的人物の従前イメージを塗り替える意欲作。参議篁の縁者とも言われる六歌仙のひとり。正確な生涯は不明なのに伝説は全盛期の男性を惑わせる才媛振りから晩年の醜態零落に捩じれ歪んだ「美女零落」的因果応報の刻印を後世に遺す。江戸時代には「小町針」という無礼千万な俗説まで流布された。男性目線で色と欲に脚色された小町像を典雅な文章に乗せて地方から都に連れて来られ英才教育を受けた利発で芯の強い少女の母恋・望郷物語に仕立て直す。「母上、かならず戻り参ります」不自由の枷に涙を堪えての初志貫徹、ご覧あれ♪

  • たま

    小野小町と言えば謡曲由来の先入観で【美女→驕慢→老醜】と連想してしまうが、この小町は雪深い雄勝で生まれ、都へ出ても物慣れず、生き別れた母を恋う賢い少女。人物がしっかり造型され、有名和歌が巧みに織り込まれ、装幀と挿絵も美しい。小町は篁の娘(孫ではなく)との設定で、篁の六道の辻も触れられるが、篁の流罪など政治の駆け引きがあっさりでその点はやや物足りなかった。百人一首の歌人が続々登場するのも面白く、業平も顔を出す。それにしても会う男みな意味ありげな和歌を寄越すのは、美人は得と言うべきか、鬱陶しいと言うべきか…

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