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小説伊勢物語 業平

樹のぶ子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784532171568
ISBN 10 : 4532171563
Format
Books
Release Date
May/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

千年読み継がれてきた歌物語の沃野に分け入り、美麗な要望と色好みで知られる在原業平の生涯を日本で初めて小説化。現代語訳ではなく小説に紡ぐことで、日本の美の源流が立ち現れた。これは文学史的な事件である!

歌物語の不朽の名作にして、「恋の教科書」ともいわれることもある「伊勢物語」。その主人公とされる在原業平の一代記を「伊勢」の百二十五章段の和歌を物語の中に据えて大胆に周到に小説化。やまとことばに注目の集まった令和改元をはさみ日経新聞夕刊に連載された本作は、平安時代の古典に、千年かけて培われてきた日本人の情感、美意識を現代小説として吹き込み、活き活きとよみがえらせた傑作長編。連載時に小説に平安の都の風を吹き込んだ大野俊明氏の挿絵もカラーで16点収録。この作品を読んでから「伊勢物語」を読めば平安の「みやび」を五感で味わうことができるだろう

【著者「あとがき」より抜粋】
古典との関わり方として、私は現代語訳ではなく小説化で人物を蘇らせたいと思ってきました。千年昔には身体感覚において、どこかが違う人間が生きていて、私たちは、現代にも通じる部分においてのみ、かの時代の人間を理解しているのではないか。この疑問は、書くことに矛盾をもたらし、文体を模索させました。平安の雅を可能なかぎり取り込み、歌を小説の中に据えていくために編み出したのが、この文体です。味わい読んでいただければ、在原業平という男の色香や、日本の美が確立した時代の風が、御身に染みこんでいくものと信じます。


著者プロフィール
樹 のぶ子 (タカギ ノブコ) (著/文)
作家
1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、2010年「トモスイ」で川端康成文学賞。芥川賞をはじめ多くの文学賞の選考にたずさわる。2017年、日本芸術院会員。2018年、文化功労者。著作はほかに『甘苦上海』『オライオン飛行』『格闘』『ほとほと』『明日香さんの霊異記』など多数。

【著者紹介】
高樹のぶ子 : 1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、2010年「トモスイ」で川端康成文学賞。芥川賞をはじめ多くの文学賞の選考にたずさわる。2017年、日本芸術院会員。2018年、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    高樹 のぶ子は、新作中心に読んでいる作家です。著者が平安一のモテ男 在原業平に挑んだ業平の一代記、平安の雅な世界に浸りました。大野俊明の挿絵も典雅で素晴らしい。ところで、東武鉄道は、由緒ある「業平橋」という駅名を無粋にも「とうきょうスカイツリー」に変更しました。私が、東武鉄道の社長でしたら、@「業平橋(とうきょうスカイツリー前)」とするか、A「押上」に「とうきょうスカイツリー」の命名権を譲渡します。 https://nikkeibook.nikkeibp.co.jp/item-detail/17156

  • ダイスケ

    高校生の時に古文の授業で理系に進むことを決意した私にとっても読みやすい本でした。在原業平の初冠から生涯を終えるまでの恋物語でした。人の顔と名前を覚えることが苦手な私には到底真似ができないなと思いました。もちろん、彼ほどの容姿も歌の才能もないですが。

  • ちゃちゃ

    叶わぬ恋に苦悶する業平の切なる息づかいが、すぐそこに感じられるような気がした。『伊勢物語』125の章段を再構成し、在原業平の一代記として蘇らせた作者の手腕は実に見事だ。なかでも、清和天皇の后となった高子、伊勢の斎宮を務めた恬子内親王との道ならぬ恋は、高樹さんの艶(つや)やかな筆が冴えて物語中の白眉とも言える。「飽かず哀し…叶わぬことへのひたすらな思い」を、みそひと文字に託して吐露する業平の「雅」。その切実さから生まれた歌は、時を超えままならぬ現実を生きる私たちの哀しみと深く共振する。圧巻の読み心地だった。

  • hiro

    『伊勢物語』をモチーフにした川上弘美さんの『三度目の恋』を読んで、この業平の一代記に興味がわいて読むことにした。業平の生涯を小説で読んでいくと、現代と平安貴族の婚姻の形態が違うといえども、“危ない”恋の多い男だということがよくわかり、業平≒光源氏にみえてきた。しかし、ただのチャラい男であれば、千年以上後世に名を残せるはずがない。「ちはやぶる神代もきかず竜田川」など知っている和歌が登場すると、業平の豊かな才能も知ることができ、さらに京都とその周辺の今もある地名が登場すると、業平が近く感じることができた。

  • さつき

    伊勢物語は10代の頃から慣れ親しんだ作品です。切ない気持ちが溢れる歌にため息をつき、美しい情景を思い描いたものでした。この作品は、歌を分かりやすく表現しているだけでなく、実際の歴史に沿って業平の人生を描いているところが素晴らしい!この恋の背景にはこんな人間関係があったのかと発見がたくさん。タイプの違う女性達への業平の思いがそれぞれ一途なのも良かったです。何度も恋することができるのは、人の良い面を見つける才能があるからかも。

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