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下剋上 講談社現代新書

黒田基樹

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065236307
ISBN 10 : 4065236304
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

上杉謙信、朝倉孝景、斎藤道三、三好長慶、織田信長…なぜ「主殺し」は、引き起こされたのか?

目次 : 第1章 長尾景春の叛乱と挫折―下剋上の走りは、太田道潅の活躍で鎮められた/ 第2章 伊勢崇瑞の伊豆乱入―「下剋上の典型」とは言いがたい名誉回復行為だった/ 第3章 朝倉孝景と尼子経久の困難―守護家の重臣が主家から自立し、実力で戦国大名化した/ 第4章 長尾為景・景虎(上杉謙信)の幸運―頓挫もした親子二代での下剋上には、幸運が重なっていた/ 第5章 斎藤利政(道三)の苛烈―強引な手法で四段階の身上がりを経た、戦国最大の下剋上/ 第6章 陶晴賢の無念―取って代わる意図はなかったのに、なぜ主君を殺したのか/ 第7章 三好長慶の挑戦―将軍を追放して「天下」を統治し、朝廷も依存するように/ 第8章 織田信長から秀吉・家康へ―下剋上の連続により、名実ともに「天下人」の地位を確立

【著者紹介】
黒田基樹 : 1965年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。博士(日本史学)。専門は日本中世史。現在、駿河台大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    下剋上とは単に権力欲に憑かれた一族や家臣が起こした主殺しではなく、反乱に正当な根拠があったり逆に主君が家臣を手討ちにした例もあったのを初めて知った。主殺しより主追放の事例が多く、主君を討ったら必ず代わりの傀儡を擁立するなど下剋上の内実を詳しく分類している。そうして成り上がった戦国大名が権力正当化のための権威や名誉を室町幕府を通じて求めたことが、実権を失った足利将軍家が存続していた理由とは。下剋上を重ね天下に迫った信長が下剋上に倒れ、続く秀吉と家康も下剋上で天下を取った過程は戦国期理解の新たな補助線となる。

  • skunk_c

    「あとがき」にもあるように、下剋上そのものをテーマにした書籍ってありそうでなかった。そういう意味で戦国時代の下剋上について、ひとつについて25ページ程度にまとめながら、ほぼ時代順に取り上げてあるので、極めてコンパクト。系図も入っており理解の助けになった。身分制社会の中で、その身分を超克することの難しさ、また非難の対象となる行為を正当化するための様々な動きなどを、整理しながらまとめてあるのでありがたい。それぞれのケースをより深く学ぶ入門書として、このコンパクトさは魅力的。実に新書らしい企画だと思う。

  • kokada_jnet

    調べてみると「家臣が直属の主人を排除する」下剋上は事例としては多くなく。「主君を殺した例」はさらに少ない。という視点が新鮮。

  • 獺祭魚の食客@鯨鯢

     目上の立場の主家を殺害し取って代わる下剋上は、王朝の易姓革命と異なり大義名分がない世界。織田信長も守護代の立場から斯波氏に成り代わり、尾張から天下布武まで上り詰めた。  革新的かつ残虐というカリスマ性は、秀吉や家康と比較されることが多いが、後代の人間からは中世の暗黒を吹き払ったとされる。  同じ戦国大名である後北条氏、島津氏、毛利氏らの民政はあまり残虐性がクローズアップされないところを見ると、やはり信長の行動は日本人離れしている気がする。

  • kk

    古い政治体制が新たなものへと変転していくに伴って流動化する社会秩序。その中で生じた下克上について、幾つかの典型例を取り上げて、その背景や機序などを概観しつつ、それらの共通点や相違点などを抽出して、下克上という政治的・社会的現象の歴史上の意義などを解き明かそうとしています。読み易い本ですが、然るべく深い洞察を感じさせるものがあります。ちなみに、職場では「ダラ幹」上等で何事も若い人達に任せっきりのkk、そのうちやり手の部下にやられてしまうんじゃないかと、ちょっと焦ってみたりもさせられました。

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