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人間に向いてない 講談社文庫

黒澤いづみ

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065197844
ISBN 10 : 4065197848
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2020
Japan

Content Description

とある若者の間で流行する奇病、異形性変異症候群にかかり、一夜にしておぞましい芋虫に変貌した息子優一。それは母美晴の、悩める日々の始まりでもあった。夫の無理解。失われる正気。理解不能な子に向ける、その眼差しの中の盲点。一体この病の正体は。嫌悪感の中に感動を描いてみせた稀代のメフィスト賞受賞作。

【著者紹介】
黒澤いづみ : 福岡県出身。『人間に向いてない』で第57回メフィスト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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タイトルにひかれて購入、異形性変異症候群...

投稿日:2021/04/20 (火)

タイトルにひかれて購入、異形性変異症候群という病気になり、人ではないものに姿を変えてしまった子供たち。読みながら「私だったらどうするか」とずっと考えてました。でも結局美晴と同じように世話をし、いなくなればやはり探すかなと思いました。そして子供の為にと思ってやったことが裏目に出る、そのあたりの美晴の振り返りは自分にも当てはまるところがあり、考えさせられました。

みぃ さん | 大分県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • そら

    社会から脱落した若者がある日突然"異形"に変異してしまう。植物の擬態、犬のような動物、優一は触覚を持つ芋虫のような物に変異した。気持ち悪さは部分的に人間の部位が残っていること。変異した人間は死亡とみなされ、その後の扱いは家族に委ねられる。虫を棄てようとする父親と息子を守ろうとする母親。グロデスクな空想物かと思いきや、最後に異形となった者たちの心からの告白に強い衝撃を受ける。自分に価値がなく生きるのが辛いと思う人の本当の本音の声をここまで明確に表現したことに。子を持つ親ならばこの声を絶対に知るべきだろう。

  • つばめ

    タイトルで興味を惹かれ、あらすじでカフカの「変身」を思い出したので購入した作品。なんとグロテスクで、やるせなくて、闇が深いストーリーだろう。他者から追いやられ必要とされない人、馴染めない人が淘汰的に異形へ変貌していく。そこに属する家族や社会からも排斥されるが、「する側」の闇も深い。真面目に言葉一つひとつを読み取っていくと心がしんどくなる。誰からも必要とされず、自分も自分を必要としなくなっていく故の末路か。誰もがそちら側を嫌悪し、自分がそちら側へ堕ちるの事を恐れて生きてる。あながちフィクションじゃない。

  • しゅり

    社会が、親が、何より自分が憎くてしょうがない。でも自殺をしようにも迷惑をかけずに確実に死ねる方法が思い当たらない。しょうがないから死なないだけで、特に生きる気力もなく日々を送る。私にも似た心境を抱えたことがあるので優一の心情には胸を突き刺されました。物語の最後で優一は救われますが、彼のように救いが必要なほど醜い姿に変わってしまった人々が、本当に救われる世界は存在するのだろうかと、そう考えずにはいられませんでした。面白かったです。

  • さおり

    異形性変異症候群。主に引きこもりやニートの若者がかかる奇病で、発症するとその姿は虫や動物、植物、アメーバ、、、とにかく人間ではない異形のものとなる。私も、人間に向いてないなぁ、猫にでもなれたらなぁとか思うことが時々あるけれど、こんな感じになるとしたらやだな。だって、犬になったら人面犬やし、芋虫(足は人間の指でできてたりする)になっちゃったりするし。受け入れられなくて殺しちゃう親もいるんだけど、簡単に殺せる大きさでもない。気持ち悪いので極力想像しないように読んだけど、怖かった。で、めっちゃおもしろかった。

  • Kazuko Ohta

    どうしますか、自分の子どもが引きこもりで、ある日突然薄気味の悪い生き物に姿を変えたら。異形性変異症候群という病名が与えられ、戸籍上は死んだものとみなされる。異形といってもさまざまで、巨大な昆虫だったり植物だったり、顔だけ人間そのままの犬だったり。想像力がたくましい人ほど、読んでいて気分が悪くなりそう。父親がわが子の発症と同時に死亡をすんなり受け入れるのに対し、どんな姿になろうともわが子を切り捨てられない母親。切ないなんて言葉を通り越して、狂気を感じる。メフィスト賞、えげつない。好きだけど。読んじゃうけど。

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