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ISBN 10 : 4880654450
Content Description
本書は五感の書である。ワインスケープを題材に、味覚を超え、視覚・嗅覚・聴覚・触覚を総動員して、風土のあり方を問う書である。ワインスケープとは、ブドウ畑の風景に留まらない。農道や休憩小屋にはじまり醸造所や集落も含まれる。また、サン・テミリオン、シャンパーニュ、そしてブルゴーニュと続く銘醸地世界遺産の誕生は、それを産業遺産やヴァナキュラーな遺産にまで拡張してきた。さらに、銘醸地を探訪するワイン観光の進展や目の肥えたクライアントの審美眼に応答し、アヴァン・ギャルドなワイナリーやブティックにまで展開している。つまるところ、フランスでは、ワインスケープが味覚を超えた価値を創造している。本書はそのような風土を構築するための「文化とまちづくり」の書なのだ。
目次 : 序 マンガストロノミー、喉が鳴る景観、ワインスケープ/ 第1編 フランスの、そして世界のワインスケープで今、何が起きているのか(フランス、そして世界のワインスケープの現在―理想、ジレンマ、進歩的伝統主義/ ワインスケープの保全と刷新のための制度―優品保護、醜景発生防止、特例認容/ 飲食と銘醸地の世界遺産―美食の危機、新たな保存論理、ネットワークの構築)/ 第2編 銘醸地世界遺産の論理、展開、少しばかりの脱線(サン・テミリオン自治区―原産地統制呼称(AOC)制度、拡張、博物館都市/ シャンパーニュの丘陵・メゾン・酒蔵―呼称保護、現代のストーリー、産業遺産/ ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ―衒学的強弁、ヴァナキュラーな遺産、的外れな議論)/ 第3編 ワインスケープの向かう先(文化財保護と都市計画の6次産業化―ファッション化、テロワール、ラギオール観光/ ワイン観光―惰眠、販売補完策、子供の取り込み/ 現代建築のワイナリー―白馬、電子レンジ、ハイブリッド・ヴァナキュラリズム ほか)
【著者紹介】
鳥海基樹 : 1969年生まれ。首都大学東京准教授。2001年フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)博士課程修了(Docteur(´etudes urbaines))。2004年日本ソムリエ協会ワインエキスパート。2015年サン・テミリオンを含むフランスの文化財保護研究で日本イコモス奨励賞。2016‐2017年EHESS客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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