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ロシア「保守反動」の美学 レオンチエフの生涯と思想

高野雅之

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784915730603
ISBN 10 : 4915730603
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2007
Japan

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Book Meter Reviews

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  • 無重力蜜柑

    コンスタンチン・レオンチエフというマイナーな19世紀ロシアの思想家に関する評伝。『思想としてのファシズム』で軽く触れられていたので読んだ。副題の通りレオンチエフは「保守反動」であり、帝政ロシアへ雪崩れ込んで来たあらゆる近代的潮流に反対した。すなわち反民主主義/反議会主義/反自由主義/反資本主義であり、専制権力と正教支配の絶対的な擁護者であった。もっとも、これだけなら帝政ロシアの思想家には珍しくない。その上、レオンチエフは死ぬまでほぼ無名だった。そんな彼が取り上げるに値するのは、その特異な美学の故である。

  • 工藤 杳

    「美と醜」の審級で判断して、西欧的な「平等」の思想を唾棄する。一様性は灰色で醜く、百花繚乱や不揃い、凹凸こそが生命の表現であり美しい(日本文化の瑕疵の美学的な発想とも似ていたり)。社会改革全盛の時代にレオンチエフは保守側に寄ることになるのだが、実際のところこういう思想はリベラル側にも保守側にも居場所がない(実際後年社会主義に興味を示した)。/人が死ぬように、歴史も生まれ、絶対に死ぬ。灰色の西欧的平等は死の一段階前である。/「ロシア凍結論」:腐敗を防ぐため進歩を止める。/この人は何も信じていない。

  • den55

    19世紀のロシアの保守的な思想家。初めて聞く名だったが、直感的に面白そうだと思い新刊を購入。非常に面白かった。医者となりその後、外交官、政治論者となり修道士として死んだ男の遍歴。画一化をロシアに持ち込もうとする西欧民主主義と抗い忘れられていったという。文中にもあるように政治的経済的差異の擁護ではなく、文化的宗教的差異の中に生きようとしたとあるが、200ページ程度の本書では言及できない部分も多かろうと思われる。政論ではなく文化宗教への論文もあるようなので紹介も期待したい。本書のみでは消化不良の感が甚だしい。

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