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人質司法 角川新書

高野隆

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784040823706
ISBN 10 : 4040823702
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
高野隆 ,  

Content Description

2019年12月31日、カルロス・ゴーン氏は、レバノンへと逃亡したことを発表した。「私は日本の司法制度の人質ではない」と述べた彼を逃亡へと追い込んだものとは、いったい何なのか。担当弁護人であり逃亡の直前まで側にいた著者が明かす、彼の実像と苦悩。そして、今回の事件を引き起こした「人質司法」の実態について、成立の歴史と諸外国との比較を交えながら、その問題点を解説する。

目次 : 第1章 「鏡の国」の刑事裁判/ 第2章 カルロス・ゴーンの拘禁、保釈、そして逃亡/ 第3章 「取調べ受忍義務」/ 第4章 接見禁止/ 第5章 「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」/ 第6章 拘禁のための手続/ 第7章 われわれはどこを目指すべきか

【著者紹介】
高野隆 : 1956年生まれ。弁護士。高野隆法律事務所代表パートナー。一般社団法人東京法廷技術アカデミー代表理事。79年、早稲田大学法学部卒業。82年、弁護士登録(埼玉弁護士会)。87年、サザン・メソジスト大学ロー・スクール卒業(LL.M)。2004年、早稲田大学大学院法務研究科(法科大学院)教授(09年まで)。19年2月より、日産自動車元会長カルロス・ゴーン氏の弁護人を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ゲオルギオ・ハーン

    カルロス・ゴーン事件を担当した弁護士がその事件を事例として日本の司法における過剰な容疑者への身柄拘束の問題点を指摘している。「疑わしきは罰せず」のとおり、事実が明確にされないうちは容疑者側に有利に扱われるはずですが、日本では勾留期間が長く、「証拠隠滅の恐れがある」という曖昧な理由での申請が裁判所で認められる。この理由はとても曖昧で弁護士が裁判官に説明を求めても「説明する必要はない」で済まされてしまう。また、黙秘権はあっても取調受任義務があって、長期間1日何時間も取調べを受けなければならない。

  • ねお

    日本の刑事司法において、身体拘束や家族との接触さえ絶たれる(incommunicado )接見禁止が容易かつ反論の機会なくアンフェアに行われていることにつき、明治期〜昭和期の歴史から紐解き、英米法の制度と比較しながら論ずる。新書として一般向けにわかりやすく書かれているが、法制史・比較法・憲法論・行政手続と刑事手続の比較など専門性も高い。ゴーン事件に関しては、ゴーン氏の家族との接触禁止の不合理性や身体拘束に関する裁判の理由の不透明性について、国際法的知見からの指摘は学びが多い。また欠席裁判の提案は示唆的。

  • 田中峰和

    カルロス・ゴーン事件の担当弁護士が日本の司法制度の矛盾。国際基準から大きくかけ離れているのは事実らしく、何度も説明されるが頭に入ってこず、ゴーン逃亡事件の手際よさばかりが思い出さされる。担当弁護士だから当然だが、ゴーン夫妻の仲の良さや、彼の人格の素晴らしさが強調されるが、多くの日本人には外敵、ハゲタカにしか思えない。日産の業績が一気に回復したのは、彼の無慈悲なリストラによるコストカットのせい。多くの従業員家族の犠牲の基に達成したことを誰も忘れない。日本の国益を損ねたという点だけが思い出される。

  • 加藤久和

    日本の刑事司法のシステムは「推定有罪」であり「疑わしきは官僚様の利益に」ということになっているようで、どこが自由と民主なのか呆れるしかない恥ずかしさです。私達はいつ身に覚えのない罪を着せられて逮捕されるかわからない。逮捕されてしまえば警察や検察の毒牙から逃れる術はほぼ無く、長期拘留と過酷な取り調べにより破壊された生活、人生は二度と元には戻りません。しかしこの異常な刑事司法システムは残念なことにあまり国民の関心の的にはなっていないようです。他国のことを持ち出すまでもなく人権は今ここで抑圧されているのですが。

  • ユウ

    著名な刑事弁護人が日本の刑事司法・刑事手続の現実を的確に切る一冊。黙秘権、勾留要件判断などの実態が、歴史的沿革からかけ離れた刑事司法上の運用によっていることを丁寧に説明してくれる。刑事弁護人であれば誰しも経験する違和感・刑事司法への憤り・ある種の諦念を真正面から示してくれる代弁の一冊でもあった。

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