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ウィーン1938年 最後の日々 オーストリア併合と芸術都市の抵抗

高橋義彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784766429725
ISBN 10 : 4766429729
Format
Books
Release Date
August/2024
Japan

Content Description

フロイト、カネッティ、ウィトゲンシュタイン一家に迫る危機

1938年2月、ヒトラーの山荘ではオーストリア首相シュシュニクとの緊迫したやりとりが行われていた。
その後の、オーストリア独立を問う国民投票の挫折とナチスによる武力侵攻‥‥。
独立を守ろうとする首相たちや、文化人や芸術家の抵抗や亡命を軸に、
芸術都市ウィーンの緊迫した日々を描く注目作。

【著者紹介】
高橋義彦 : 北海学園大学法学部准教授。1983年生まれ、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • MUNEKAZ

    ナチス・ドイツによるオーストリア併合の顛末を描いた一冊。著者は「輪舞」を掲げ、単なる事実の羅列ではなくアンシュルスに関わった政治家、それに影響された文化人らの視点を巧みに交えることで、群像劇としても読める内容になっている。併合を避けようと奮闘する者、ナチスの下でもオーストリアの自律を信じる者、そして正常性バイアスから逃げ遅れる者。危機を前にした人間模様は面白く、必要以上に重くならない著者の筆致も良い。ナチスの最初の被害者にして共犯者でもあるオーストリアの転換点をよく理解できる良書。

  • 省事

    1938年のナチス・ドイツによるオーストリア併合(アンシュルス)の展開と、その瞬間のウィーンの政治家、芸術家たちの人間関係の連なりを「輪舞」をモチーフに描いた読み物。生真面目なシュシュニク首相を軸に、彼が直面したアンシュルスへの政治過程、彼とも面識あるワルター、フロイト、カネッティ、アルマ・マーラー(グスタフ・マーラー未亡人)、ヴィトゲンシュタイン一家らの様子がパラレルに描かれる。ある章のタイトルでもある「オーストリアの一番長い日」が活き活きと描かれた、政治史かつ群像劇として楽しめる一冊。

  • kentake

    ウィーンは長く欧州の文化と芸術の中心として栄えていたが、ドイツによるオーストリア併合(アンシュルス)により状況は一変する。 ユダヤ人が多かったウィーンの文化人の多くは、国外脱出にも苦労し、ナチスの犠牲になった人も多い。 本書では、多くの証言や記録をもとに、国外脱出時の緊迫感が再現されている。 アンシュルスを推進したのはヒトラーの政策を受入れたオーストリア人自身であるが、大戦後にオーストリアの一体感を生み出したのも、愛国心によりヒトラーの犠牲者という資格を得た彼ら自身である、という考察には考えさせられた。

  • Go Extreme

    1938年の輪舞: ウィーンーアルトゥア・シュニッツラー戯曲『輪舞』 アンシュルス オーストリア併合への道:  ハプスブルク帝国→シュシュニク政権 ベルヒテスガーデン会談 シュシュニクの抵抗 併合前夜の芸術家たち: ワルターとオペラ『ダリボル』 ヴェルフェル夫妻の愛憎 カネッティ夫妻の精神不安 オーストリアの一番長い日: ヒトラーのウィーン: 挫折の街 勝利の街 暗黒の街 ヒトラー支配下の文化生活: フロイト一家の脱出 ウィトゲンシュタイン家の姉弟喧嘩 ヴェルフェル夫妻のピレネー越え それぞれの一九四五年

  • オルレアンの聖たぬき

    1938年のウィーン。政治家と芸術家たち、それぞれの『アンシュルス(合邦)』について、詳しく書かれている。特にアンシュルスを巡るシュシニクとナチス首脳の攻防、『オーストリアの1番長い日』は息を呑む。独立したオーストリアを目指す人々と、『大ドイツ』を夢見た人たちの生涯を描いている。

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