Product Details
ISBN 10 : 4422230468
Content Description
落語『らくだ』は、死体にかんかん踊りを踊らせ、長屋の住人を震え上がらせる話だ。かつて立川談志の『らくだ』を聴いた著者は、落語の自由奔放さに驚き、喜びを感じたという。
古典落語には葬式を題材にした噺が多く、死を「おめでたくなった」と表現する。変わった葬式や野辺送り、遺体を洗い清める湯灌の風習などが描かれ、葬儀屋、ニセ坊主、怪しげな拝み屋、幽霊、死神が登場、さらに化け猫、人をだます女ギツネなど異界と交信する神獣が跳梁跋扈し、弔いの場面を彩った。
本書では、長年、葬祭を研究してきた著者が、死やとむらいにかかわる落語を取り上げ、江戸落語と上方落語を対比しながら、その背景にある江戸から昭和初期の葬送の習俗や文化、精神性を解き明かす。落語ではナンセンスな会話が続く中に、日本人の死生観が反映されている。
実際にあった珍しい葬式や歌舞伎狂言の怪談話などを紹介するコラムも交え、多くの切り絵が楽しさを添える。
あの世とこの世の垣根をいとも簡単に乗り越える落語の変幻自在な世界へ!
【著者紹介】
高橋繁行 : 1954年、京都府生まれ。ルポライターとして葬式、笑い、科学、人物を主要テーマに取材・執筆。高橋葬祭研究所を主宰し、死と弔い関連の調査、研究、執筆を行う。雑誌『SOGI』で「弔いの系譜―仏教・民俗」を約10年間連載。絵・イラストを描き、切り絵の個展を何度も開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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