「元典章」が語ること

モンゴルがもたらした衝撃、したたかに生きた人びと。政権と地域をつなぐことばが語る知られざる帝国のすがた。ニセ薬禁止、ヒツジの税金、仏教、ムスリム…広大な領土を治めるための法令集を読み解く。

目次 : 第１部　異形のことばたち（律令と典章―『元典章』はいかに編まれたか/ カアンのことばが翻訳されるまで―盗賊が投降した際の使用人たちを良人とすること/ 地方行政を仲介する文書たち―賭博に関する賞金のこと）/ 第２部　政権と仲介者（モンケの聖旨をめぐって―屠殺、狩猟、及び刑罰を禁じる日/ カアンとムスリム―回回が喉を掻き切って羊を屠殺し、割礼をすることを禁じる/ ヒツジを消費する人たち―羊・馬・牛を抜き取る決まり/ 宣徽院の人びと―ニセの薬を販売することを禁じる）/ 第３部　地域と交易（戸籍と“本俗”―弟・妹を兄は他家に養子に出してはならない/ 身売りと火事と駆け落ちと―借金の形に身売りする場合は、一年限りの契約書を作ること/ 江南の顔役―職名をもたない位階官が役所を牛耳ること/ モンゴルのひとたちを売りさばく―人などを海外に輸出することを禁じる）

【著者紹介】
赤木崇敏 : １９７６年生まれ。現在、四国学院大学文学部准教授

伊藤一馬 : １９８４年生まれ。現在、日本学術振興会特別研究員ＰＤ

高橋文治 : １９５３年生まれ。現在、大阪大学大学院文学研究科教授

谷口高志 : １９７７年生まれ。現在、佐賀大学教育学部准教授

藤原祐子 : １９７８年生まれ。現在、岡山大学全学教育・学生支援機構准教授

山本明志 : １９７７年生まれ。現在、大阪国際大学グローバルビジネス学部講師（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）