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ISBN 10 : 4480434321
Content Description
精神科医である著者は、虐待された人たちが「死にたい」ではなく「消えたい」という表現で「自殺への欲求」を語ることに気付いた。そこには、前提となる「生きたい」がないのだ。彼らがどのように育ち、生き延びて、どんな苦しみを背負っているのかを、丁寧にたどる。そして、立ち直っていった経緯を明らかにする中で、人間の存在の不思議さと、幸せの意味に迫る。
目次 : 第1章 もうこの世から消えてしまいたい(光の首飾り/ 被虐待児の人生から教えてもらったこと)/ 第2章 異なる世界で生きる人々(私には日にちがない/ 私には過去がない、それを返してほしい/ 社会的存在ができあがる仕組み/ 異邦人―“社会的存在になれなかった被虐待者”/ この地上には異なる二つの世界がある―心理カプセルの内と外)/ 第3章 児童虐待とはどういうものか(虐待かどうかの、二つの判定基準/ 虐待の継続性と異常性―虐待判定その1/ 虐待は愛着関係を作れない母親のもとで起こる―親の心理状態の評価)/ 第4章 回復―一緒の世界でみんなと手をつなぐ(発達障害と誤診された被虐児、浩樹君の回復/ 生きる義務感を相対化する/ 存在の不確かさゆえに効かない精神療法/ 人からもらう愛情、人に与える愛情を取り戻す/ 子どもから教えてもらう愛情)/ 第5章 心はさらに広い世界へ(社会的存在の範囲を生き直す/ 二つの存在を同時に生きる/ 二つの存在を生きる)
【著者紹介】
高橋和巳 : 精神科医。医学博士。1953年生まれ。福島県立医科大学卒業後、東京医科歯科大学神経精神科に入局。大脳生理学・脳機能マッピング研究を行う。都立松沢病院で精神科医長を退職後、都内でクリニックを開業。カウンセラーの教育にも熱心で、スーパーヴィジョンを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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