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昭和金融恐慌史

高橋亀吉

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061590663
ISBN 10 : 4061590669
Format
Books
Publisher
Release Date
March/1993
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

昭和2年、日本全国の銀行で取り付け騒ぎが起こり、異例の支払猶予令が断行された! はるかのちのバブル崩壊、リーマン・ショックなどを想起させる日本を襲った未曾有の危機の原因とは何だったのか?

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Book Meter Reviews

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    『昭和二年金融恐慌に至る間の、(中略)業界には政府の救済に甘える風潮が生まれ、日銀は救済機関に堕した。病根を一時的に抑えた財界は、不健全な身体のままいたずらに僥倖をのみ追求したのである。』/昭和二年の金融恐慌を扱っているが、関東大震災の復興貸与が不良債権化した震災手形、金融緩和というカンフル剤が企業の自主改善を妨げる様が、現代のコロナ対策特別融資および日銀の株価サポートと似ており歴史は繰り返さないか薄ら寒くなる。流石に恐慌にはならないだろうが、何らかのショックは今後避けられない気がする。

  • dzuka

    歴史の教科書でもほんの数行しか語られない昭和金融恐慌。「鈴木商店」「台湾銀行」という単語くらいしか覚えていないが、世界恐慌の前に、何故日本だけ転んだのかを知りたくて手に取った。 表面的に語られるのは銀行破綻の引き金である取付騒ぎであるのだが、その基となるのは何とWWTの好景気というのが、著者の指摘。読んでいくとその分析に首肯。たまたま起こったのが、昭和2年で、関東大震災後に為替で煽られ上、いつもで起こりうる破綻をつなぎ融資で引き延ばしたあげく、ついにバーストしたということらしい。似ていないか、ある時に。

  • newborn

    本書は昭和金融恐慌は大銀行が特定の企業と癒着し、赤字を垂れ流しながらも粉飾決済で外見を取り繕い放漫経営を続けた結果、戦争景気の消滅+関東大震災の焦げ付き+世界恐慌によって引き起こされたものであるとする。その点、過剰生産によって経済規模が縮小し、金融取引が停滞する一般的な恐慌とは別のものであるとしている。またこの恐慌の影響でより耐久性のある銀行業界に再編すべく中小銀行の合同化、大銀行化が進み、中小企業への融資が減り、余剰資金は国債へ流れる構図となった点が恐慌自体よりも後世への影響大であると本書は評価している

  • むとうさん

    チョット古い本だが面白かった。著者(の一人)が1891年生まれというのがいい味を出していて、実際に当時の経済論壇にいた人だというのが面白い。日本の銀行システムが「前近代」であり、軽工業中心から第一次大戦を経て重工業にシフトしたのに、銀行が変化しなかったという。さらに金解禁と為替の関係で投機が激化していたことに原因を求める。政策的に金融恐慌を抑えることは可能だったかもしれないが、それは問題の先送りに過ぎなかったのではないかというスタンスのようだ。解説が92年で、バブル後の銀行破綻を予言しているのも興味深い。

  • ふら〜

    銀行への監督も今とは違い緩かった時代、銀行経営も(複数企業の兼職が横行するなど)財界と癒着していた状況で、震災手形という地雷と、旧平価による金本位制復帰を拙速に急いだ政策側の失態によって起こった恐慌。必ずしも実体経済悪化とか、バブルが弾けたとかそういう原因でないところが事例として興味深い。これを機に結局信用のある銀行(≒財閥系銀行)へ預金も集まり、益々財閥が強くなっていったとか。

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