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中世シチリア王国

高山博

User Review :4.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061494701
ISBN 10 : 4061494708
Format
Books
Publisher
Release Date
September/1999
Japan

Customer Reviews

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なかなか書かれることの少ない場所、時代な...

投稿日:2021/04/08 (木)

なかなか書かれることの少ない場所、時代なので、詳しく書いてあってとても参考になった。しかし歴史的にはシチリアの繁栄も一時のことという感じで、繁栄が永続的な世界線があったら面白かっただろうなぁと思ってしまう。

kam さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    シチリアというとすぐマフィアやアラン・ドロンの「山猫」を思い出してしまいますが、この本では中世のシチリア王国、(南イタリアのつま先まで入っていたのですね)についてかなり面白く書かれています。結構ラテンやアラブ、ギリシャの影響がみられるのですね。これは塩野さんのローマ人の物語(?)でもふれられていたのかもしれません。今まであまり語られることのなかったシチリア王国について興味がわきました。行ってみたい気がします。

  • フランス北部ノルマンディー地方のオートヴィル家が興した国、両シチリア王国についての新書。シチリア王国はラテン・カトリック文化、ギリシャ・東方正教文化、アラブ・イスラム文化と三つの文化を内包した国家。シチリア島の都市パレルモでは、ギリシャ語やアラビア語の書物をラテン語に翻訳するなど、12盛期ルネサンスと言われる文化の興隆が起こった。異教徒云々といったイデオロギーにとらわれず、合理的な理由で異文化との共存を選んだオートヴィル家の君主達は、戦闘だけでなく、政治的センスも持ち合わせていたようだ。

  • coolflat

    シチリア王国の最大の特徴は、ラテン・カトリック(西欧)、ギリシャ・東方正教(ビザンツ)、アラブ・イスラムという三つの政治文化圏の接点に成立し、それぞれの文化的要素を同時に内包していたという点にある。この特徴が12世紀ルネサンスをもたらした。12世紀ルネサンスにおいて重要な位置を占めたのは、スペインとシチリア、北イタリアにおける翻訳活動だ。この地域で、ギリシャ語、アラビア語の哲学者、自然科学書が大量にラテン語に翻訳された。そしてそれを消化吸収した欧州文化は、12世紀から13世紀にかけて飛躍的な発展を遂げる。

  • 組織液

    オートヴィル朝を中心に西欧史の一部、辺境としてではなく、中世のシチリア王国について語られています。ラテン、ギリシャ、アラブという3つの文化的要素に影響され、文化でも財政行政機構でも多様な様相を呈していました。ただ、このような多文化共生がシチリアの人々の寛容性で支えられていたモノではなく、強力な王権の産物だというのは現実を感じましたね。それでもフリードリヒ2世の人格形成には大きな影響を与えたようですが。王室最高顧問団とかは初耳だったので勉強になりました。

  • まーくん

    中世シチリアにノルマン人の王国が?ノルマン人って、あのバイキングの末裔?何故?どんな経緯で?西ローマ帝国滅亡後の地中海はラテン・カトリック、ギリシャ東方正教、アラブ・イスラム世界に分かれ、南イタリアはその接点に。最初は傭兵として勢力争いに身を投じたノルマン人は成り上がり、シチリアに王朝を打ち立てるまでに。支配層はラテン系であるがアラブ系等の異文化集団も共存。しかし著者によると共存を可能としたのは宗教的寛容性ではなく、強力な王権がアラブ人を必要とし攻撃や排斥を抑制したためとのこと。さて現在の世界では如何?

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