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不機嫌な姫とブルックナー団

高原英理

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062201872
ISBN 10 : 4062201879
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

図書館の非正規職員として働くゆたきは、コンサート会場で「ブルックナー団」を名乗るオタク3人組に声をかけられる。その一人、タケがサイトに書き継ぐ「ブルックナー伝(未完)」を読んだゆたきは、意外な面白さに引き込まれていく。19世紀ウィーンを代表する作曲家ながら「非モテの元祖」というべき変人ブルックナーの生涯は、周囲からの無理解と迫害に満ちていた。そんな彼に自分たちの不遇を重ねる3人組とつきあううちに、ゆたきの中で諦めていた夢が甦ってきて…。今も昔もうまく生きられない男女を可笑しくも温かく描く、異才の新境地書下ろし小説!

【著者紹介】
高原英理 : 1959年、三重県生まれ。小説家、文芸評論家。立教大学文学部卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了(価値システム専攻)。1985年、小説「少女のための鏖殺作法」で幻想文学新人賞受賞。1996年、三島由紀夫と江戸川乱歩を論じた評論「語りの事故現場」で群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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ブルックナーオタクを話題にした小説。ブル...

投稿日:2021/05/09 (日)

ブルックナーオタクを話題にした小説。ブルックナー好きにはたまりません。興味深く読むことができました。ブルックナー好きはもちろんのことクラシック音楽好きにもお薦めです。

浜っ子 さん | 愛媛県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • のぶ

    読み手を選ぶ作品かもしれないが、自分は面白く読んだ。作曲家としてのブルックナーの生涯を描きながら、ひとりの女性と3人のブルックナーオタクの交流を描いた、青春純文学と言えるかもしれない。NHKの音楽番組でやっていたが、ブルックナーは嫌いな作曲家のトップクラスにあるらしい。確かに長いし、繰り返しが多いので、慣れるまでには忍耐が必要かもしれない。ただ、好きになってしまうと荘厳で響きの美しい曲ばかりだ。自分の思っていたそんな事がこの作品に込められていた。

  • 吉田あや

    19世紀後半の作曲家、ヨーゼフ・アントン・ブルックナー。ショパンやヴァーグナー、ブラームスなど華々しい十九世紀ヨーロッパ音楽界に於いて地味な印象のあるブルックナーの生涯を織り込みながら、ブルックナー団こと熱いヲタク視点でその人柄と音楽性を展開していく。「イタい人」と評されることの多いブルックナーその人を反映するように音楽性も野暮ったいところがあり、女性ファンが少ないとされる演奏会で、ゆたきに「女性ファンからブルックナーの感想をお聞きしたいんです」と声をかけてきた、ブルックナー団のタケ。(⇒)

  • 昭和っ子

    ブルックナーを生演奏で2回聞いた事がある。たたみ掛けるような迫力があってかっこいいと思い、興味があったのだが、こんな残念エピソード満載の作曲家さんだったとは。確かに洗練された感はないかな?ただ私は、非モテの究極とされる「嫁帖」を、こんな事で満足してくれるんだと微笑ましく感じた。19世紀ウィーン、作曲家や批評家達の音楽を巡る考え方の違いと、その人間臭い争い。結局後世に残るのは、真摯に自らの情熱を傾けた作品のみ。とりあえず性別を超えた、ブルックナーにまつわる友情が爽やかだった。見事にイッキ読みさせられた。

  • trazom

    抜群に面白い小説だった。全編を通して、ブルックナーの音楽が聴こえてくる。ブルックナーの女性への執着、交響曲第3番が初演時のウィーン・フィルからの苛めなど、ブルックナーの本質を伺わせるような説得力のある描写である。また、ハンスリックの煽動で、朴訥としたブルックナーが社会から痛めつけられる現象を、現代の「イジメ」に擬えて表現しているのも納得できる。ブルックナーという作曲家やそれを心から愛する人たちの心情を見事に投影した、素晴らしい小説だ。音楽を題材に、こうしたものが書けるのかという嬉しい読後感がある。

  • 本木英朗

    日本の現代女流エンタメ作家のひとりである、高原英理の長編のひとつである。俺は2016年にこれを買ったが、今まで読んでこなかった。ブルックナーを偏愛するオタク3人組との出会いが、夢を諦めた文系女子の運命を変える? ままならない人生に心をふさぐ人々へ、エールを送る書き下ろし快作!という話である。200ページにも満たない小説であったが、本当に満足であった。図書館で非正規職員としてはたらくゆたかと、「非モテの元祖」というべき変人ブルックナー、それぞれの話である。超面白かったなあ、ウフフ。いつかまた読もうと思う。

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