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主権者を疑う 統治の主役は誰なのか? ちくま新書

駒村圭吾

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480075468
ISBN 10 : 4480075461
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

近年の改憲ムーブメントで連呼された「最終的に決めるのは、主権者たる国民の皆様です!」―私たちは改めて主権者としての自覚が求められ、いよいよ最後の出番に呼び出しがかけられている。しかし、主権とは何で、主権者とは誰なのか?本書は、神の至高性に由来するこの“取り扱い注意”の概念を掘り下げ、新たなトリセツを提示する。ロゴスから意思へ、神から君主そして国民へ、魔術から計算へ、選挙からアルゴリズムへ―中世神学から現代の最新論考までを包含しためくるめく“主権者劇場”がここに開幕!

目次 : 序章 見取り図―日本国憲法に登場する「国民」たち/ 第1章 主権者Part1―ロゴスと意思(「最終的に決めるのは、主権者たる国民の皆様であります」/ 主権についての伝統的理解 ほか)/ 第2章 主権者Part2―忘れられた巨人(破壊者=創造者/ “破壊者=創造者”としての「憲法制定権力」 ほか)/ 第3章 民主主義(原風景としての「民衆支配」/ “衆愚”その1―愚民とエリート ほか)/ 第4章 市民社会(砂川判決再訪/ 「主権を有する国民の政治的批判」 ほか)

【著者紹介】
駒村圭吾 : 1960年東京生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。白鴎大学教授、慶應義塾大学法学部・同大学院法務研究科助教授を経て、同大学法学部教授。法学博士。専攻は憲法学。ハーヴァード大学ライシャワー日本研究所・憲法改正リサーチプロジェクト諮問委員会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • buuupuuu

    主権は国家的意思の究極的な源泉だとされているから、しばしば難しい状況でちゃぶ台返し的に主権者への訴えかけがなされる。しかし著者は主権という概念をかなり危ういものだと考えている。その概念は神の至高性の概念に由来するが、ロゴス的なあり方から意思的なあり方へと姿を変えてきた。主権者は絶対的であるにも関わらず恣意的なものである。また国民主権というときの「国民」が何を指すのか明確でない。それゆえ著者は、主権者の前に、有権者や市民といったあり方について考えるべきだと言うのだが、こちらも楽観視できる状況ではないようだ。

  • おおにし

    (読書会課題本)安部さんが昔、「憲法改正について、最終的に決めるのは、主権者たる国民の皆様です」と語っていたが、主権者という言葉の意味を分かって使っていたのだろうか。主権者についてこの本を読めばわかるかと期待したが、予想以上に難しい本で最後まですっきりと意味がつかめなかった。ともかく今後「主権者」という言葉を軽々しく使う政治家がいたら、注意してその意図を探るようにしたい。

  • 月をみるもの

    国とか企業(「法人」)というヒトではないのに「主体」として扱われるものの意思決定はどのように行われるのか? どっちも結局、どこかに代理人たる個人(元首とか社長とか呼ばれる)がいて、そのヒトの意思を反映してるだけなのか、それとも集団の「一般意思」をなんらかの形で表現する術があるのか? この設問に対して、テクノロジーが解決の方向性を示すという議論には同意できるんだけど、そこで鈴木健(ミソ)と成田悠輔(クソ)を一緒にしちゃってるのが残念極まりない。

  • 奏市

    難しい部分も多々あったが、スリリングな内容でもあり面白く読んだ。憲法学者による主権、主権者、憲法、民主主義、市民社会等についての考察。国民主権も民主主義も絶対的に正しいものではなく、意外と欠陥多く危険を孕んでおり、改善・メンテナンスを怠るとまずいことになるというのはよくわかった。ワイマール共和国の変遷が示しているように、民主主義は語源を辿れば共和制の堕落形態であり容易に寡頭制、独裁性に移行してしまうと。著者はそれなりな年齢なのに若者の文化やICTにも通じているようでそんな憲法学者もいるのかと意外だった。

  • つわぶき

    「主権」の概念を、中世ヨーロッパの神学におけるロゴス(至高性)まで遡りつつ、国民主権のある種の恐ろしさや、憲法上で国民が主権者、有権者及び市民としての役割を演じ分けていること、昨今の民主主義や市民社会に関連して論じている。主権は確かに重要であるが、それに偏重すると憲法秩序の根底が破壊される危険性やそれ故の法(神学でも意思としての神をある種の拘束下に置こうとしたように。)の尊重が必要であるとの議論は、ややもすれば秩序破壊に繋がりかねない主権の濫用を止めるために重要であると思ったと共に、(続く)

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