Books

「アイドル」の読み方(仮)青弓社ライブラリー

香月孝史

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787233721
ISBN 10 : 4787233726
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2014
Japan

Content Description

AKB48、ももクロ、『あまちゃん』などに象徴されるように、アイドルが一過性のブームではなく、ある種の文化として根づきつつある日本社会。ファンにとどまらず多くの人々がアイドルをときに熱く、ときに冷ややかに語るが、過剰な語りの渦に巻き込まれて、私たちは彼女たちの魅力をつかみ取れなくなってはいないだろうか。本書ではまず、アイドルという言葉の意味が多様であるにもかかわらず、「アイドルらしさ」のイメージは社会で共有されているという奇妙な状況を確認する。そして、アイドルたちが「らしさ」との距離をとりながら「アイドルらしからぬ」「アイドルを超えた」パフォーマンスを見せ、ときにはあえて「らしさ」を体現して、SNSや「現場」で通じてファンと共同で今日的なアイドル像を更新している現状を観察する。そのうえで、SNSや現場でパーソナリティを掛け金として絶えず開示するアイドルと、彼女たちに承認欲求などを投影するファンとのコミュニケーションの往還が「アイドルという芸能ジャンルの特性」だと分析する。アイドルをめぐる言説を冷静に見定め、アイドルを語る言葉をバージョンアップする文化批評。

目次 : 第1章 アイドルという言葉(「国民的」か「一部の熱狂」か/ 誰でも語りうるものとしてのアイドル/ 何がアイドルと呼ばれるか/ 「アイドル」の不確かさ)/ 第2章 アイドルらしさをめぐって(アイドルの語りやすさ/ アイドルの主体/ “操り人形”としてのアイドルの歴史/ 「アイドルになる」を選び取ること/ 「アイドルらしさ」とは何か)/ 第3章 音楽としての「アイドルらしさ」(“低級”音楽としてのアイドル/ アイドルのパーソナリティと音楽性/ 「アイドルらしからぬ」は更新されるか)/ 第4章 アイドルの「虚」と「実」を問い直す(「饗宴」から考える/ アイドルのパーソナリティがコンテンツになること/ 「表」と「裏」の狭間にあるもの/ 人格を承認しあうコミュニケーション/ ネガティブさを捉え返す契機)/ 第5章 「場」としてのアイドル(本書の要旨―アイドルとは何か/ アイドルと恋愛/ 饗宴としてのアイドル)

【著者紹介】
香月孝史 : 1980年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。専攻は文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • またの名

    誰でも名乗れる時代になったので「アイドルと言い張るグループ(笑)」や正統派アイドルらしさを学ぶ体裁で喜劇化するAKBの配信番組など、概念のお遊びが余りに高度化。その言葉にまつわる多様な言説を歴史的文脈ごとに整理し、ある時から発生した操り人形というイメージはそれを逆手に取ってアイドルらしくないアイドルや敢えて正統派の虚構を演じるゲームとして今や展開してる状況を分析。SNSや動画配信により舞台上用の表の姿と違う裏の顔をダダ漏れ披露するパフォーマンスではないことになってるパフォーマンスも氾濫し、訳が分からない。

  • たま

    アイドルという言葉の意味から出発し、アイドル戦国時代といわれる今の「アイドルらしさ」とは何かについて、握手会や音楽性、SNSなどを通して論じた本。70年代から現在に至るまで、アイドルを取り巻く状況は大きく変わってきているにも関わらず、アイドルに操り人形性を求めるステレオタイプのアイドル観は消えない。だからこそ「アイドルらしからぬ」アイドルであることを売りにすることも可能である。あえてステレオタイプを演じるアイドルや、あえて邪道に走るアイドルがいて、多様性溢れる今のアイドルというジャンルが私は好きです。

  • 静かな生活

    【時代と結婚したジャンル/存在】 先日、とあるアイドルグループに一度没入してからというもの、そこから少なくとも1ヶ月ほどは、痺れに近いような感覚でひたすらインターネットでその対象の情報を貪った。あの異様なコンテンツ消費の感覚は何だったのだろうか、というシリアスな疑問に対抗するための一冊といったところだ。中々、用意周到な、クールな語り口/視点である。アイドルとは○○だ、という具合でなく、反芻を繰り返す。私/公の場が混在した、「何でもあり」なアイドルというフォーマットは、ネット時代と結婚した存在に違いない。

  • 72ki

    結局「アイドル」は、「わからない」んじゃなくて「なんでもない」のではないかとの思いは拭えない。ドメスティックな「アイドル」のことをズブズブと考えていても堂々巡り。海外や過去の芸能との比較検討がもっともっと必要な「ジャンル」なのではないでしょうか。著者のご専門の歌舞伎との比較などをもっと読んでみたいし、その上でいろいろ考えてみたいところです。で、きゃりーぱみゅぱみゅはアイドルなの???

  • nightU。U*)。o○O

    3月に発行されており、書かれたのは恐らく年明けまでだろう。そのために、ここで扱われる「アイドル」はアイドル史上の過去の文献を辿りつつ基本的には現在活躍するアイドルグループに焦点を当てたものである。様々な面に表れるアイドルの特徴を詳細にあたっており、現代アイドルを見た最新で包括的なものとして決定的なものと言えるのではないか。恋愛やメンバーとファンの間の交歓のあたり、若干踏み込みが他の章に比べて物足らない気がするが、「アイドル」を定義しないことで扱う辺り、逆に正確性を持った議論を展開している。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items