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出星前夜 小学館文庫

飯嶋和一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094087963
ISBN 10 : 4094087966
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2013
Japan

Content Description

寛永十四年、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)が一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうことかこの医師を追放。これに抗議して少年ら数十名が村外れの教会堂跡に集結した。折しも代官所で火事が発生し、代官所はこれを彼らの仕業と決めつけ討伐に向かうが、逆に少年らの銃撃に遭って九人が死亡、四人が重傷を負う。松倉家入封以来二十年、無抵抗をつらぬいてきた旧キリシタンの土地で起こった、それは初めての武装蜂起だった…。第35回大佛次郎賞受賞の歴史超大作。

【著者紹介】
飯嶋和一 : 1952年、山形県生まれ。1988年『汝ふたたび故郷へ帰れず』で文藝賞、2008年『出星前夜』で大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 三代目 びあだいまおう

    絶望に抗う者達の、死という唯一の希望を胸にした壮絶な作品。無情な圧政に我慢を重ねながらも絶望を生きる民達。襲いくる死病の非情が罪無き幼子達の命をも無情に奪う。これは非業な権力者と、一方的に塗炭の苦しみを余儀なくされる無力な者達との壮絶な戦、島原の乱!読み応え充分!作中の視点変化が目まぐるしく幾度も読み返す。作中の人物たちが話す言葉に一文字の過不足さえ感じさせないリアリティーと臨場感、感情が満ちている!聞き逃すまいと傾聴するが如くじっくり読まされる。蟻の眼鷹の眼で描かれる圧巻の人間模様に感服しかない‼️🙇

  • goro@the_booby

    1頁に書かれる活字の率の高さは1番を争うのは飯島和一だろう。ぎっしり詰まった700頁を読み終えて感じる事は恐ろしい数の虚しさと一つの光。島原の乱がどのような経緯で起こったのか、すべてはキリシタン弾圧という分かりやすい言葉ではなく、連綿と続いた生かさず殺さずの体制が引き起こした事。いつの世も強者が弱者を食い物にしてきた。その弱者も立場が変われば強者となり、また弱者を顧みない。そんな虚しさを知ってしまった寿安。寿安は導かれるように歩き始めたが、無残に散った島原がなんともやりきれないのだ。

  • 湯湖

    学校で習った「島原の乱」は、一面的な知識だったのだと痛感。フィクションも含まれているであろうが、この一揆が起こった理由や過程、そして結末がつぶさに描かれていて、とても勉強になった。

  • 鈴木拓

    歴史を学ぶというのは、年号を覚えることに非ず。なぜ人々がそのような歴史を歩んだのか、そこにあった人々の心を想像し、未来への学びとすることこそ、歴史に学ぶということなのだろう。そのことを痛感させられる作品である。 小中学生で習った島原の乱は、キリスト教徒による武装蜂起だったという程度のものであった。キリスト教が禁止され、それに対する反発だったといった認識しか持ち合わせていなかった。まったく不勉強極まりなかったと思う。

  • 名古屋ケムンパス

    圧巻の700頁。島原の乱の蜂起につながる松倉藩の圧制から4ヶ月に及ぶ激闘の歴史を島原に暮らしていた有馬家の旧家臣ら、重税に苦しむ旧キリシタンの民衆の目を通して切々と語ります。蜂起の必然と老若男女2万7千人の犠牲者、引き続く300年余りの禁教の歴史。抵抗の民の姿に真実を見つめる視座を与えてくれます。

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