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中世の文学伝統

風巻景次郎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003317112
ISBN 10 : 4003317114
Format
Books
Publisher
Release Date
November/1998
Japan

Content Description

風巻景次郎(1902‐60)は、日本文学史の書きかえを生涯の課題とした。本書は、上代における和歌の成立からはじめ、『新古今集』『山家集』『金槐集』など中世300年の代表的歌集とその歌人たちを通覧することで和歌こそが日本文学をつらぬく伝統だと論ずる。鮮烈な問題意識をもって日本文学の本質に迫る力作。

目次 : うたとやまとうた、漢詩と和歌、詩と歌、和歌と短歌/ 中世、和歌は中世文学の主軸、物語は文学でない性質を含んでいる、勅撰和歌集、二十一代集、『古今集』の伝統が『金葉』『詞花』で衰える、『千載集』の後また『古今集』伝統が復活する、これが中世文学の開始である、藤原時代芸術の特色、その『金葉』『詞花』への反映は和歌の危機を意味する/ 藤原俊成、隠者文芸、『千載集』、その特色、抒情性の優位、幽玄/ 西行法師、『山家集』、実人生への敗恤と交換した文学精神/ 『新古今集』、その特色、錦繍的妖艶、後鳥羽院の御趣味、『新古今』撰定前の歌界、若き定家/ 『新古今集』の撰定の経過/ 後鳥羽院、院の御製と新古今時代廷臣の歌とは別の所から生れている/ 源実朝、『金槐集』、実朝の歌の多くは風流の歌である/ 老いたる定家、歌に対する見識の変化、世間的幸運/ 『新勅撰集』、新古今調からの離脱、世襲の芸道の建立、有心、歌における「詩」の喪失の警告、「詩」を培うものとしての漢詩、漢詩と和歌との融合〔ほか〕

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • S.Mori

    日本の中世の文学について和歌が中心だったと論じています。これは素晴らしい一冊。凛として美しい作者の文章が味わい深いです。戦時中に書かれたそうで、創作に打ち込んだ歌人たちを描くことで自分を奮い立たせる意味もあったのでしょう。『源氏物語』の抒情性が和歌に影響を与えたといった文学史上の論考も面白いです。多くの美しい和歌が収録されており、それらを読む楽しみもあります。自身の優しさを和歌に昇華したと書かれる、源実朝のことを描いた部分が一番好きでした。「いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母を尋ぬる」(源実朝)

  • 佐島楓

    おもに中世の和歌の歴史。西行や新古今集などに詳しい。

  • 内藤銀ねず

    二十一代集のうち、第七の千載和歌集から掉尾の新續古今和歌集まで、おもに叙景歌を中心に和歌表現がどういう変遷を辿ったかについて書かれた本。著者は、往年の新古今研究碩学。 王朝和歌の、しかも叙景歌を対象にしてるあたり、当時まだ名残のように猛威を奮っていた正岡子規に連なる短歌の動向を多分に意識していたと思われます。ちゃんと著者の思う源実朝についても書かれていますしね。 そのため和歌の「恋」についてがばっさりカットされてますが、これはこれで現代にも残った好編として読みごたえがあります。

  • 和歌の研究というと大体は一つの作家や作品の各論のイメージがあるが、本書は和歌の変遷をコンパクトに概観できる。金葉詞花での戯言と千載集の復古主義というように勅撰集のそれぞへの違いがあるなんて想像もしたことがなかったので非常に大きな収穫。本書では和歌の解釈や訳が記されておらず、私は和歌の読み方に自信が無いのでそちらはきっぱり諦めて飛ばし、取り敢えず著者の主張のみをつまみ食いした。

  • 寛理

    これはめちゃくちゃ面白かった。僕が無知なせいかもしれないが、日本文学史に対する考えが変わるような衝撃を受けた。時間があれば、しばらくは日本文学史について考えたい。

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