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働く母親と階層化 仕事・家庭教育・食事をめぐるジレンマ

額賀美紗子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784326603558
ISBN 10 : 4326603550
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「新自由主義的母性」を喧伝する女性活躍政策は何をもたらすのか。非正規/大企業総合職/専門職など、多様な「働く母親」へのインタビューから浮かび上がる差異とは。ジェンダー、労働、教育、家事、格差…日本社会の問題が交錯し凝縮する「母親」という結節点。

目次 : 働く母親と階層化/ 第1部 育児・家庭教育(母親意識と時間負債―母親業と仕事を織り合わせる/ 家庭教育へのかかわり方と就業意欲―「親が導く子育て」と「子どもに任せる子育て」/ 家庭教育における父母の役割分担―4つの類型)/ 第2部 仕事・家事(大卒女性の稼ぎと職業に対する意識/ 非大卒女性の稼ぎと職業に対する意識―日常生活のリアリティ/ 愛情料理は誰のため―写真にみる家庭の食卓)/ 仕事と子育ての不平等是正に向けて/ フィールド調査の方法

【著者紹介】
額賀美紗子 : 東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、カリフォルニア大学社会学部博士課程修了(Ph.D.)。現在、東京大学大学院教育学研究科准教授

藤田結子 : コロンビア大学社会学科修士課程修了、ロンドン大学博士課程修了(Ph.D.)。現在、明治大学商学部専任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ネギっ子gen

    【現代日本において、仕事と母親業の両方をこなしていくことが、女性にとっていかに困難な営みであるか】 多様な背景をもつ母親たちのリアルな語りを収集・分析。就学前の子どもをもつ母親たちは働きながら子育てをすることの困難をどのように経験し、仕事と育児・家事のバランスをどう保っているか、またその在り様は階層によってどのように異なるか――。ジェンダー不平等の構造を変えないまま、「新自由主義的母性」イデオロギーのもとで女性に仕事も子育ても押しつける日本の構造的な問題を、当事者視点から提起した書。巻末に参考文献。⇒

  • Olive

    女性に重くのしかかる家事分担に加え,育児が加わる形で疲労していく母親の姿をとらえている.また家事育児の比重は,父親と母親で学歴と収入が高い方の立場が強いことをあげている. 夫婦間の権力関係において,大卒・非大卒女性の学歴と職業に対する意識に差が生じる.大卒女性は生計維持分担意識が高く自身の職業へのアイデンティティを大切にする傾向がある.それは必ずしも一つの職に固執せず柔軟に対応する意識がみられ,夫婦関係においても夫が育児のため柔軟に雇用形態を変える等,その関係性において多様であるという.

  • てくてく

    共働き世帯が増え、結婚や出産後も働き続ける女性が増える中で、働く子持ち女性の苦しさみたいなものはなぜ生じるのかといったことをインタビューを通じて考察している。学歴や家計への貢献度、仕事(ジョブ型かキャリア型か)や夫の育児などへの参加度によって「階層化」と言えるかどうかは別としてある程度はグループ分けできそうではあった。興味深かったのは、保育園や学校を通じて未だに母親に「子ども中心」であれという圧力が加えられることが少なくないことあたり。もう少し極端な母親や地方在住者の分析も知りたいと思った。

  • UI

    仕事について大卒女性はキャリア、それ未満学歴の女性はジョブと考えている。夫の協力度は収入のパワーバランスの点からも大卒の方が高い。母親の手料理信奉、30品目推奨は加工食品に頼ることに危機感を持った70年代の国とNHKがばら撒いたのではないかなど等。

  • 昌也

    p202本書が十分に捉えきれなかった点を課題として挙げる。 第一に、調査地域が首都圏に限られており、別の地域では異なるパターンが見られる可能性が大いにある。・・・ 第二に、・・・家庭外資源とネットワークに踏み込んだ分析は時間的制約とらえからできなかった。・・・ 第三に・・・子育てに関心が薄く、仕事に打ち込んでいる女性もいると予想されるが、そうした事例を十分に把握することはできなかった。・・・ 第四に家庭内における親子や夫婦間の日常的相互作用から家事や育児の実態を捉えることはできていない。

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