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かわいい仏像 たのしい地獄絵

須藤弘敏

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784756245755
ISBN 10 : 4756245757
Format
Books
Release Date
January/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
矢島新 ,  

Content Description

人々に守られてきた素朴で愛らしい仏と地獄の世界

この本には、国によって文化財に指定された仏像・地獄絵は1点も取り上げていない。国宝・重文に代表される“都でつくられた精緻で荘厳な仏像"の「対極」にある、稚拙ながらも強い存在感を放つ地方仏。これら、仏師の手によらない「民間仏」は、岩手県・青森県に数多く現存する。

1章は、仏像の決まりや彫刻の常識を欠きながらも一生懸命つくられた、個性的で愛らしい仏や十王、鬼の像を紹介する。

2章では、近世の地獄絵を取り上げる。ほとんどが無名の民間画工によるものである。寺社が上層階級の庇護を十分に受けられなくなった中世後期から、庶民への布教のための仏画が増えてくる。伝統的な決まりを重んじた仏画の中で、例外的に儀軌から自由でおおらかに表現された江戸時代の地獄絵は、仏典に説かれた地獄をベースにしつつもさまざまな信仰が盛り込まれ、インド・中国・日本が混じり合った、日本人の他界観の終着点とでもいうべき内容を持っていた。

民衆に寄り添い、信仰の対象として愛され残ってきた、畏怖心を要求しない仏像・地獄絵を、大きな図版・美しい写真で紹介する1冊。

[著者紹介]
須藤 弘敏:弘前大学教授
矢島 新:渋谷区松濤美術館学芸員を経て、跡見学園女子大学教授。著書「日本の素朴絵」ほか。

【著者紹介】
須藤弘敏 : 1954年、青森県生まれ。東北大学大学院博士前期課程修了。博士(文学)。東北大学助手を経て、弘前大学人文学部教授。仏教絵画及び東北の仏教美術を主に研究

矢島新 : 1960年、長野県生まれ。東京大学大学院博士課程中退。渋谷区立松涛美術館学芸員を経て、跡見学園女子大学教授。近世の宗教美術を中心に、日本美術のオリジナリティについて考えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • あじ

    “かわいい たのしい”を発信したのは、名もなき彫り師や絵師たちでした。緻密な細工や国宝級の手法からはほど遠い、地方に土着した素人作品ばかりが集められています。仏像ブームの対極にあって、新たな潮流を生んだ一冊でしょう。特に後半の地獄絵は、街角の高齢者が描いたような素朴なユニークさに溢れています。”かわいい たのしい”という擦れた言葉を当てはめるのは、勿体なく感じたのでした。

  • 中央ではなく地方のプリミティブで素朴な仏像の数々。モディリアーニみたいに顔が長い。細密な都の仏像とは異なって、埴輪や土偶のような感じもするし、原始美術みたいな気もする。地方の仏師さんが都で一目みた仏像の印象だけで、一心に彫ったのかもなあ…。でもどちらも同じだけの人々の信仰を集めてきたんだよなあ。地獄絵図のシュールで、どこかユーモア漂う絵の数々もよかった。堪能しました。

  • tom

    芸術新潮の古い巻を開いてみたら、この本のことが書いてあった。でもって、図書館に注文。かわいい仏像ってなんなのよという第一印象だけど、仏像は、高級寺院に置いてあるものもあれば、弱小寺院に置いてあるものもある。そして、普通の人が拝みに行く弱小寺院では、身の丈に合った仏師が仏像を作ってくれていて、皆さんに大切にされている。そういう仏像は一味違うよろしさがあることがよく分かる。写真がたくさん載っていて、こんな仏像に出会ってみたいという気持ちになってしまう。コロナが下火になったら、青森岩手の弱小寺院巡りをしよう。

  • あーびん

    都のエスプリから遠く離れた北東北の民間仏の味わい深さを堪能できる一冊。中央の仏師ではなく、地方の大工などによって彫られた仏像たちの素朴さ、おおらかさ、自由さが魅力。触られて真っ黒になっていたり、虫食いもなく大切に保管されてきたそれぞれの姿からは長い年月にわたって人々に愛され熱心に拝まれてきたことがわかる。また、後半のコミカルなタッチの地獄絵は現代の漫画みたいだ。国宝や重要文化財などの様式美の仏教美術にはない衝撃をうけた。かわいいスピンからも仏像愛を感じる。

  • かごめ

    写真のみの鑑賞。私論ではあるが…仏像は規格にはまってないので神々しさがなく、かえって生身の人間に近く祈る対象には思えずむしろ禁忌しそうな像もあった。地獄絵は幼いころのトラウマで楽しく鑑賞できなかった。総じて拙い(?)ことがかえってリアルで好きになれなかった。

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