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本売る日々 文春文庫

青山文平

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167923761
ISBN 10 : 4167923769
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

文政5(1822)年。月に1回、城下の店から在へ行商に出て、
20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る本屋の「私」。
上得意先のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は
近頃、孫ほどの年の少女を後添えにもらったというが、
彼女に何か良い本を見繕って欲しいと言われ――
用意した貴重な画譜(絵本)が、目を離した隙に2冊なくなっていた。(本売る日々)

村の名主たちは、本居宣長の『古事記伝』、塙保己一が編纂した『群書類従』など
高価な本を購い、書店主と語り合う。
村人が決して実用的でない知識を求めるのはなぜなのか。
徐々に彼らが知識を、特に古代や朝廷を研究する「国学」を求める
理由が分かってくる。

江戸時代の豊かさは村にこそ在り、と
考える著者が、本を行商する本屋を語り部にして
本を愛し知識を欲し人生を謳歌する
人びとの生き生きとした暮らしぶりを描いた中編集。

本売る日々/鬼に喰われた女/初めての開板


【著者紹介】
青山文平 : 1948年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学第一政治経済学部経済学科卒業。経済関係の出版社に18年勤務、経済関係のフリーライターを経て、2011年『白樫の樹の下で』で第18回松本清張賞を受賞。2015年『鬼はもとより』が直木賞候補、第17回大藪春彦賞受賞。2016年、『つまをめとらば』で第154回直木賞受賞。2022年『底惚れ』で第17回中央公論文芸賞・第35回柴田錬三郎賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Y.yamabuki

    主人公の平助は、物の本(学術書)などを扱う本屋。店の他に村の名主の家などを回る。中編三話。客との読書談議も商売の内。図書館司書のようにも見える。多くの書名が出てくるがこちらは難しくてよくわからない。江戸時代、売る方にも買う方にも、こんなに本と真摯に向き合った人達がいたのには驚かされた。三話とも本を絡めてはいるが、そこでの登場人物の人生に関わる話。最終話は、医者。謎解きのように読み進めたが、皆がハピーになれて、温かい良い話だった。

  • マッピー

    主人公の松月平助(しょうげつへいすけ)は、物之本屋である。物之本の本とは、「根本」の本であり、「本来」の本であり、物事の本質を意味する。つまり学術書の専門店と言っていい。で、短編が3作。江戸時代の出版文化や、本という貴重品についてとともに語られる平助の話は、不可解な出来事であり、ちょっとしたミステリになっている。読んでいるうちに、自分の心の中で何かがきれいに洗われていく気がした。そして、物語の最後に書かれたことは、平助の本屋としての大きな一歩であったと言える。続編出ないのかなあ。

  • ふみえ

    古典籍が沢山登場し、ふりがなに助けられる。時代小説を読むと常々思うが、知識の吸収度がハンパない。諳んじるほどって、どれだけ読み返せばいいのか。

  • 蒼都羽月

    時代小説は時の流れがゆっくりで、忙しない日々の中で少し速度を緩めたいときに読むのにいい。群書類従の話で盛り上がる場面では大学の共同研究室の壁面の書棚を思い出したりした。「淇一先生」がとても良かった。知も術も独占しない、そうした営みのおかげで私もいま生きている。

  • ささ

    現代とは大きく異なる出版の仕組みがとても勉強になったし、その後の出版業界の発展により我々一般庶民にも本が広く普及していることがとてもありがたいと思った。主人公の本に対する知識もすごい。そして何より、本にまつわる少し謎めいたストーリーがとても良かった。主人公以外の登場人物達も、とても誠実で気持ちが良い。『書庫は自分そのものだ。』これは現代も同じ。続編あるといいなぁ

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