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遊廓島心中譚

霜月流

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065368312
ISBN 10 : 4065368316
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

第70回江戸川乱歩賞受賞作!アニバーサリーイヤー!ミステリ界の新たな歴史を作る期待の新人、満を持して登場!

【著者紹介】
霜月流 : 1993年東京都生まれ。学習院大学法学部法学科卒業。会社員をしながら執筆活動を行う。東座莉一名義も。本作が長編デビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 夢追人009

    選考委員が悩んだ末に選ばれた江戸川乱歩賞受賞作というのがうなずける評価の難しい作品ですが、ドラマティックな設定で唸らせて最後まで読ませる力作だとは思いますね。父の冤罪を晴らそうとする娘・伊佐と心中を図って男に裏切られ死んだ姉を持ち「信実の愛」を求める女・お鏡の二人がそれぞれに幕末の遊郭島に外国人相手の娼婦ラシャメンとなって乗り込む物語です。伊佐の名探偵ぶりに感嘆しましたが、お鏡は唯哀しいです。二つの犯罪は共に罪なき人を陥れ無慈悲に殺す卑劣さが私には許し難く後味の悪さが残りましたね。#NetGalleyJP

  • starbro

    改稿のため、出版が遅れたもう1作の今年(第70回)の江戸川乱歩賞受賞作、雰囲気は好きですが、乱歩賞作品としては微妙でした。二作受賞ではなく、どちらかと言えば、「フェイク・マッスル」を推しますが、「該当なし」でも良かった気がします。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000397828

  • パトラッシュ

    江戸川乱歩賞初の時代ミステリ受賞作。幕末の横浜に開かれた外国人向け遊廓という特異な舞台で、父の死の謎を探るため洋妾となった江戸の娘の伊佐と英軍将校のバディという設定が面白い。簡単に意思疎通できるのが都合よすぎるが、本格物として一応の水準に達してはいる。ただ最後で明らかになる事件の真相が証拠のない推測ばかりで、伊佐が犯人と名指しした相手が白を切れば成立しないのは謎解きとして弱い。また作者が女性のためか、遊廓で働く女の悲惨さや洋妾への差別などの描写がほとんどない。時代小説としての物足りなさが点数を下げている。

  • ちょろこ

    遊郭、愛、ミステリの一冊。この3つが溶け合った第70回江戸川乱歩賞受賞作。時は幕末、舞台は横浜の遊郭島。あらぬ疑いをかけられ死亡した父の汚名をそそぐため、娘が遊女となって真相に迫るストーリー。"信実の愛"の証明に心ひっぱられ、突然ミステリへと導かれる変化が面白い。真相が明らかになっていく過程はまるで予想内の小波、予想外の大波のよう。特に想いの強さがぴたりと重なり合う大波がすごい。この時代だからこそかな、一途な愛、かすがいが際立つ気がした。そして読後じわじわと余韻のさざなみが押し寄せるそんな感覚も良かった。

  • nonpono

    最近の江戸川乱歩賞が読みたくて。桐野夏生、藤原伊織、渡辺容子を知れたのは、この賞から。東野圭吾も「放課後」で受賞しているんですね。まず、帯や本にある、名のある作家の講評が面白い。そして本作の受賞に関して、かなりの議論が展開されたらしい。審査員の辻村深月は、その議論の時間が面白かったという。本書の時代は幕末で、舞台は横浜の港崎遊郭、遊郭島という密室。日本人も異人も通う盛り場。「らしゃめん」と呼ばれる異人の現地妻。そこで起こる殺人事件。この設定がまず凄い。物語が本気を出してくる最後の展開も。新たな門出に乾杯。

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