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西洋中世の愛と人格 「世間」論序説 講談社学術文庫

阿部謹也

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065182062
ISBN 10 : 4065182069
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2019
Japan

Content Description

ヨーロッパ中世の社会を、伝説、民話、さらには法や経済などさまざまな位相から総合的に再構築し、共同体のあり方を生き生きと描き出した西洋史学の泰斗、阿部謹也(1935-2006年)。晩年は西洋史家ならではの視点から、「世間」を軸にした独創的な日本人論を展開したことでも知られる。
 なぜ、日本人は「世間を騒がせて申し訳ありません」と謝罪するのか。無実ならば決して謝罪せず、世の中が納得するまで主張を続ける西洋との違いはどこから生まれるのだろうか。日本古来の「世間」と対比させつつ、西洋の「社会」を構成する「個人」や「愛」がヨーロッパで成立する過程を描き出した本書は、代表作『「世間」とは何か』を著者の本領たる西洋中世史から裏づける作品であり、一連の「世間論」の原点でもある。
 著者は本書でこのように述べている。「大切なのは、わが国では、「社会」と「世間」という二つの用語の世界があるということを、まず認識することである」――。日本の共同体があらゆる水準で崩壊しつつある今こそ読みたい、人と人とのつながりの根源を照らし出す一冊。(原本:朝日新聞社、1992年)

目次
I 世間と社会
II 個人と人格の成立について
III 神判の世界とケガレ
IV 西欧における愛のかたち
あとがき
初出一覧

著者プロフィール
阿部 謹也 (アベ キンヤ) (著/文)
1935-2006年。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。一橋大学名誉教授。専門は西洋中世史。主な著書に『ハーメルンの笛吹き男』,『中世を旅する人びと』(サントリー学芸賞),『中世の窓から』(大佛次郎賞),『西洋中世の罪と罰』,『「世間」とは何か』,訳書に『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(日本翻訳文化賞)などがある。

【著者紹介】
阿部謹也 : 1935‐2006年。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。一橋大学名誉教授。専門は西洋中世史。主な著書に『ハーメルンの笛吹き男』、『中世を旅する人びと』(サントリー学芸賞)、『中世の窓から』(大佛次郎賞)、訳書に『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(日本翻訳文化賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • 松本直哉

    肉の交わりを忌避するカトリック教会が、生殖目的以外のすべての性行為を有罪にするために作り上げた贖罪規定書なるものの重箱の隅をつつくような陰険に失笑する(夢精さえも有罪)。さすがに寝室に踏み込むことはできないので、年一度以上の罪の告解を義務づけたのが12世紀、同じ時期に結婚も宗教的結合と正式に認められ、愛の観念が誕生する。心の内面に干渉されることで西洋的な個人の人格は誕生した。日本ではこのような歴史を持たなかったため個人の意識は育たず、代わりに世間が個人を代弁し、世間体ばかり気にする日本人となった。

  • ひつまぶし

    キリスト教が自然と人間を切り離し、神と向き合う主体としての個人が成立する基礎となった。そこでの個人は性欲を統御する形で彫琢されていった。神判の事例から自然信仰的な要素が切り捨てられていく過程もたどられる。なるほどコスモロジーが変容するとはこういうことかと分かった。西洋的な個人と社会はかなり特殊な条件下で成立したもので、決して普遍的なものではない。阿部は西洋社会を進んだもの、日本社会を遅れたものととらえているわけではないと言うが、オルタナティブを構想できているわけではないので、どうしても否定的な整理になる。

  • ふゆきち

    西洋中世と比較しての日本の人格論。それにしても西洋にキリスト教が存在しなかったとしたらどんな具合になっていたのか気になります。

  • Go Extreme

    自然と人間の関係: 自然の美しさと寂しさ 文化ー物質的なもの媒介→人間関係形成 日本の文化的特性: 古代的な互酬性 自然と人間の関係密接 個人と人格の形成: ヨーロッパ・個人の確立 人格の概念: キリスト教→個人の内面的な特性重視 神判とケガレ: 神判の制度・中世の社会 ケガレの概念→社会的行動や人間関係に影響 愛の形態: 個人の自由な表現とされる過程 日本社会における人権と個人 人権意識とその実際の社会的状況のギャップ 理性+義理や人情 文化の発展と歴史的背景: 歴史の流れ+特定の地域での人々の関係性

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