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詩的思考のめざめ 心と言葉にほんとうは起きていること

阿部公彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784130830645
ISBN 10 : 4130830643
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2014
Japan

Content Description

あだ名、流行語、歌謡曲といった日常の詩的な言葉の作用とは? 伊藤比呂美、谷川俊太郎、四元康祐など日本の現代詩の読みどころは?
詩的な声に耳をすませば、私たちと世界の関係が違ったふうに見えてくる。「詩」に独特の感性を鍛えるレッスン。


【著者紹介】
阿部公彦 : 1966年、横浜市生まれ。東京大学文学部准教授。現代英米詩専攻。東京大学大学院修士課程修了、ケンブリッジ大学大学院博士号取得。著書に『文学を“凝視する”』(2012、岩波書店、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • (haro-n)

    筆者は、この本を詩の入門書ではないという。そうではなく、詩的なもの(感覚?体験?)は、詩に限らず小説や日常の生活の中にもある、その「詩的」であるとはどういうことかを考えることで、詩や詩的な物事に対して苦手意識を持つ人の苦手をなるべく和らげたいという意図で書かれたとのこと。確かに詩の解説から入るのではなく、日常における名付けの行為(流行語や歌謡曲の歌詞などの紹介から導入している)に詩的な要素があると説明している。何か新しい感覚や体験、又は言語化するまでには至らず取り逃していたものを改めて発見し、表現したい↓

  • 太田青磁

    実際に名前をつけるかどうかよりも、名づけの必要を感じること自体に詩のエッセンスがあるのです・詩とは生きているぐにゃぐにゃしたリアルなものに、形を与えようとする衝動だからです・詩人というのは列挙するのがたいへん好きです・言うか言わないか、沈黙か無言かといった境界が意識されればされるほど、言葉は先鋭になるからです・今、きちんと恥じるのはとても難しい・内容を読まずに読むとは、何より詩を"名詞"を頼りに読まないということ・動詞に注目して読んでみると、イメージから情感へというこの詩のプロットがよりはっきり見える

  • かふ

    現代詩は範囲が広いので韻文でも散文でも言葉遊びでも現代詩になってしまうので、そうしたワガママな現代詩入門書(入門書ではないと書いているが)にはわかりやすく書かれていると思う。生活編では詩になる要素を5つ取り出し「名前を付ける」「声が聞こえてくる」「言葉をならべる」「黙る」「恥じる」と最後の二つがなければ電波な人なわけで、技法的にも「〜は」は名前を付けることであるとか、好きな言葉を並べてみるとか、声を聞くは年と共に死者の声を聞くのが得意になってくるのだ。黙るは黙らせる方法みたいな。

  • タカヒロ

    前著『小説的思考のススメ』に続いて。詩が生まれる原理というか、心性というか、そういうところから入っていくのが面白い。詩の現場は日常にあるということらしい。その衝動が形になったことはないが。後半の読解編はなかなか本格的なので、いわゆる詩が「苦手」な自分にはやや難しかったが、目の付け所というか、言わんとするところは分かる。最後に谷川俊太郎をもってきた意図が大変良心的。

  • ヨミナガラ

    “名づけの必要を感じること自体に詩のエッセンス”“詩ではこんなふうに、名づけたり、名指したりするときに微妙なずれや間違いが生じている。名前と対象を結びつける約束が緩いのです。しかも、いつ、どこからそれが起きているのかが見えにくい。名前をつけそこねたり、別の名前をつけてしまったりして、それでも話が通じてしまうのが詩的思考の世界”“これが退屈の第一歩だと思います。何かを形だけ行う。より典型的なのは儀式”“詩のもっとも重要な機能の一つに、儀式になろうとする衝動がある”“フォーマルウェアを身にまとうような緊張感”

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