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理想のリスニング 耳からはじめる英語の基礎習得

阿部公彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784130830812
ISBN 10 : 4130830813
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan

Content Description

すべては「聞く」からはじまる――日本語話者のための英語習得法
「英語は聞きとりになるとさっぱり…」「英語学習,どこから始めればいい?」――そんな方は,まずは英語の運動感覚を身につけよう! 「聞く」を通して,英語力の基礎をつくるための考え方や練習法を解説.単なる「実用英語」に終わらず,現実のコミュニケーションの土台となる気分,態度,思惑などの「人間的要素」までを重視する.語学の本来の意義も考える一冊.

目次
はじめに

何から始めるか/言葉と「運動」/「四技能」でほんとうに「使える英語」?/英語の「本番」はどこ?/四技能「均等」は可能か?/ポスト四技能の時代/本書の概要/[はじめにのポイント]

T 理論編

第1章 なぜ,まずリスニングなのか――「聞くこと」の深み

「四技能」という区別を疑ってみよう/「聞く」VS.「読む」「書く」「話す」/「聞く」の深み/「聞く」と受動の技術/言葉が「うまい」とは?/言語の心地良さ/[第1章のポイント]

第2章 言葉はどう聞こえるか――「心地良さ」から「過剰さ」まで

皮膚感覚と言語コミュニケーション/「心地良さ」と協調性/逸脱の力/「言葉を使いすぎる」ということ/「過剰さ」を聞く/「何となく」が見えるように/[第2章のポイント]

第3章 言葉をどう受け取るか――「強さ」の上手な使い道

意味のある意味/英語はどう聞こえるか/「等間隔」をめぐる誤解/英語的「強さ」はどう表現されるか/「あ,始まったな」の知恵/私たちはいつ失敗するか/[第3章のポイント]

第4章 リスニング練習の秘術とは――退屈さと「一点聞き」を生かす

耳は言葉の入り口/「退屈さ」こそがツボ/「おもしろくなさ」を上手に使って「わかる」へと至る/「退屈」を活用する/「わかる」の達成感/リズムの「マンネリ」と付き合う/「一点聞き」の土台をつくる/「切れ目」には何がある?/[第4章のポイント]

第5章 聞き方は鍛えられるか――「耳の記憶」を活用する

耳も記憶するのか?/薄暗い記憶の使い道/残響への反応を鍛える/名前を聴く/耳が不得意な日本語話者/日本語が英語の邪魔をする/固有名詞で練習する/[第5章のポイント]

第6章 身体・空間で聞くとは――「実存英語」のすすめ

声のインパクト/発音のための身体/子音を攻略するために/響きの違いを聞く/単語は身体の一部/youがうまく言えない/「実用英語」よりも「実存英語」/[第6章のポイント]

第7章 人間を聞くとは――「伝え聞き」の秘密

残る言葉、消える言葉/残響としての『フランケンシュタイン』/立ち聞きと英語圏文化/「聞き届け」の意味/「小僧の神様」の「漏れ聞こえ」/虎の声の威力/[第7章のポイント]


U 技術編

第8章 山と谷を感じる――野ウサギを追い回さない

野ウサギを捕まえる/どこを聞くか/英語の「音の価値感」/音を感じる/まずは単語の「山」から/「山」をとらえる練習/[第8章のポイント]

第9章 切れ目をとらえる――優先順位とニュアンス

「切れ目」をとらえるために/聞こえすぎると聞き取れない?/ピラミッドでとらえる/シャーロック・ホームズの想像力/第一ステップ――時間構文の例/第一ステップ――原因・理由構文の例/第二ステップ――長めの文章による練習/体の事情としての切れ目/息つぎは「意図」だらけ/節を教える切れ目/切れ目と感情/[第9章のポイント]

第10章 名前を押さえる――必要な情報の察知

「点」から始める/「知っている語」を聞き取る/練習問題の応用例/「固有名詞」を聞く/「名前がくるぞ!」という予感/[第10章のポイント]

第11章 空間に慣れる――諸技能を連携させる

実存英語の実践/折り紙の方法/料理のつくり方を聞く/指示の作法/ヨガのやり方を聞く/ヨガと気分/四技能より三次元/[第11章のポイント]

第12章 人間を理解する――言葉を聞くことの意味

言葉は「物」なのか?/「人間を聞く」とは?/欲望を聞く/何を勉強すればいいか?/問いなのか,断定なのか,何を問うているのか/キーワードを聞く/主張なのか,例なのか,仮定なのか/[第12章のポイント]

あとがき

英語スクリプト・訳・解答例

【著者紹介】
阿部公彦 : 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。専門は英米文学研究。1966年生まれ。東京大学大学院修士課程修了、ケンブリッジ大学大学院博士号取得。著書に『文学を“凝視する”』(岩波書店、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • aloha0307

    昨年の英語民間試験導入問題は大混乱でした(結局頓挫に)。文法・単語を悪者に仕立てずに、元に戻すというのでなく、”聴く”の特殊性に着眼した本書📖 確かに自分が読む&聴くものを、自分でも書けるというのは日本語でも難しいです。対話の空気を重んじ、その教材として「山月記」「小僧の神様」がでてきたのは👀でした(英訳することもなし)。アクセント&切れ目がポイントなのだね☺ 単語ではなく、文の骨格がすっと入ってきたら上級者...なるほど❣

  • たろーたん

    日本語と英語の話法の違いが面白かった。日本語のオーラル・コミュニケーションは待遇表現が発達しており、運用にも非常に影響している。メッセージをきちんと伝達するだけではなく、話者同士がどんなふうにかかわり合っているかにも気を配りながら、常に両者の関係を良好に保とうとするため、関係性の構築にかなりのエネルギーを向けられるのだ。日本語の場合は、英語と違い、話す側の一貫性や構築性を犠牲にしてでも、聴く側の同意を得ようとするような特性がある。(続)

  • 木の命木の心

    いまいちピンとこなかった。QRコード読み込んでもなかなか再生できず、CDは部分的に引用のところは抜けており使いづらかった。

  • とわ

    確かに英語を聞く時に「さあ聞くぞ」と前のめりになると逆効果になることは経験からよくわかる。そうならない為には、山と谷、ストレス・アクセントや切れ目に慣れること、そして予測する力を鍛えることが大事。表音文字を使う英語話者と表意文字で表す日本語使用者では、言葉の受け取り方が異なり、それが「耳」の使い方にも関わっているという内容は非常に印象的だった。色んな要因が日本人の英会話力向上の障害になっているのかもしれない。だからこそ、この本に書かれている英語の運動感覚を身につける事がより大切になってくる。

  • きざはし

    ハウツー本ではなく、「この境地を目指すべき」という、まさに「理想のリスニング」について書かれた本。要は、強弱や間から話し手の感情の起伏を読み取ってこそのコミュニケーションだよねと。スクリプトとして理解するのみの、昨今のリスニングに警鐘を鳴らす。

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