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ルソン戦-死の谷

阿利莫二

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004203780
ISBN 10 : 4004203783
Format
Books
Publisher
Release Date
June/1987
Japan

Content Description

昭和一九年暮れ、フィリッピン。日本軍はレイテ決戦で壊滅的打撃を受け、ルソン持久作戦に移る。第一回学徒出陣の学徒兵としてこの作戦に投入された著者は、飢えと疲労の行軍のなかで病いを得て倒れ、「死の谷」とよばれた谷間の病院で終戦を迎える。極限状況におかれた人間の姿を、四十余年を経たいま、痛恨の思いで振り返る。

目次 : 一 虚構の決戦(血書の転属/ 兵糧なき籠城)/ 二 戦場の五号道路(死の転進/ 撃たれる赤十字/ 望みなき転属/ 最期の交信)/ 三 続・戦場の五号道路(戦場のロザリオ/ 敗残の山道/ 狂気の沙汰/ 悲劇の兵站病院)/ 四 極限の谷間(軍紀の果て/ 飢餓の道/ 幽鬼の宴/ 「死の谷」の終戦)/ 五 生還の航跡(生への脱出/ 蘇生/ 捕虜病院)

【著者紹介】
阿利莫二 : 1922‐95年。1948年東京大学法学部卒業。専攻―行政学。現在―法政大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • nobody

    後に法政大学学長となる阿利にすら真実剔出させないもの――そこに全てがある。例えば戦闘等で阿利は敵を殺さなかったのか。従軍体験を語るなら真実の全面剔出以外に意義を認めぬのは戦後平和ボケ世代の妄言だろうか。真実を剔出するには「覚悟」を決めねばならぬし「暴露」と受け取られる、その気風こそこの国の骨絡みの宿痾ではないか。墓場までもっていかれるよりはマシと納得すべきだろうか。ルソンで知った戦争の姿をもし生きて帰れた者があったら必ず故国の人に語り伝えるという死別した戦友との約束は未だ果たされていないとあとがきは結ぶ。

  • Ted

    '87年刊。敗色濃い昭和19年、比戦線に投入された一学徒兵がマニラから北部陣地へ撤退するまでの敗走記。負けが込んできて駆り出されるのが学徒出陣なので当然だが、緒戦の勝ち戦の体験もなく、初めから負け戦の只中に放り込まれ、辛うじて生還した学徒兵の手記には、読む度に心が痛む。中でも南方戦線は過酷だ。本土侵攻を1日でも遅らせる為、多くの将兵を捨て石にして特攻や持久戦をいくら展開しようが、ブルドーザーで道路を瞬く間に整備していく米軍の圧倒的な機械力や合理性、そして物量を前にしては無意味も同然。時間稼ぎにもならない。

  • かもすぱ

    学徒出陣でフィリピンのルソン島に送られた著者の回顧・手記。交戦の場面はほとんどなく、一方的に空襲に遭って偶然死んでいないだけの戦場。まだ互助ができていた序盤から、すぐにそんなこと言っていられなくなる。栄養失調とマラリアに悩まされ満足に動けないまま、戦地での前線後退による病院の移動。すぐに「病人」として扱われなくなる。攻撃が止んだのでなんとなく終戦を知るが、情報や指令は伝わらない。中盤から捕虜病院まで、記憶や記述の欠落が頻繁になるのが過酷さを示す。ときおり挟まる海や星空の綺麗さが、夢でも見ている気分になる。

  • ユー

    実体験に基づく戦争記録。「飢え」「マラリア」「ケガ」「高熱」自身の身体が極限状態にも拘わらず、助けは、ほんの僅か。次々に起こる人の死は、既に日常茶飯事で、目を背けようにも直視するしか前に進めない。文面からは、生きて戻れて本当に良かったという思いが伝わります。

  • モリータ

    ◆宮古島への行きの飛行機で読了。

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