Product Details
ISBN 10 : 4862851835
Content Description
中国、北アジア、中央アジア、ベトナム、朝鮮、日本などの東アジアにおいて、中国との影響関係や地域の独自性をテーマに即して考察した総合的研究である。従来は中国の影響下に周縁地域を分析する方法が主流であったが、本書は周縁地域を中国で創造された制度・文化の一方的な受容者として見るだけではなく、固有の制度や文化を創造する主体でもあることを重視し、また周縁地域におけるそれらの授受関係による地域間交流の促進にも着目する。1部「「家」の履歴」では、「家」にまつわる情報がいかに生成し、継承・利用されていくのかを中央アジアとベトナムの事例を通して明らかにする。2部「情報:生成と伝播」では、中国で形成された情報の型(フォーマット)が西方地域や日本にどのように伝播したかに光をあてる。3部「情報:制度と現実」では、中国の西北地域と朝鮮を通して、情報伝達の制度を復元し、その制度が直面した錯綜する現実を考察する。4部「情報:収集と利用」では、公私にわたる政策立案には、情報の収集・独占とその積極的な活用が不可欠であることを、モンゴルや近代以降の日本、とりわけ中心化する東京の例をあげて分析する。未見の一次史料や、活用されてこなかった史料を駆使した分析により、新たな歴史像の展開を試みる。
目次 : 第1部 「家」の履歴(本貫の記憶と記録―敦煌張氏の場合/ 「華麗なる一族」のつくりかた―近世ベトナムにおける族結合形成の一形態)/ 第2部 情報―生成と伝播(酒泉丁家閘5号墓天馬図の運足表現/ 奈良時代における「先人の遺風」としての「風流」とその展開)/ 第3部 情報―制度と現実(西夏王国における交通制度の復原―公的旅行者の通行証・身分証の種類とその機能の分析を中心に/ 屠牛と禁令―19世紀朝鮮における官令をめぐって)/ 第4部 情報―収集と利用(支配錯綜地帯における地域的入用―新発田藩の万雑とその周辺/ 清国における海産物市場の形成と市場情報―明治20年の清国調査を中心に ほか)
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