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牟田口廉也を問い直す 「無責任の総和」インパール作戦の実像 光文社新書

関口高史

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334046163
ISBN 10 : 4334046169
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2022
Japan

Content Description

約三万人の死者を出した、悪名高い「インパール作戦」。この負け戦を指揮した陸軍中将・牟田口廉也はそれまで、日本陸軍を代表する「常勝将軍」と呼ばれていた―。作戦はどのような経緯を経て実行され、なぜ失敗に至ったのか?数々の思惑がぶつかり合ったインパール作戦は、「牟田口=悪」という単純な図式には回収できない。牟田口の生涯を追い彼の思想や立場を明らかにしつつ、作戦が大本営に認可されるまでの様々な人物・組織による意思決定の過程を分析する。こうした緻密な作業から見えてきたものは、牟田口という人間、そしてインパール作戦の持つ複雑性だった。

目次 : 序章 陸軍のメカニズム(「任務重視型軍隊」と「環境重視型軍隊」/ 巨大な組織の宿痾 ほか)/ 第1章 牟田口廉也の実人物像(生い立ち/ 陸軍でのキャリア)/ 第2章 インパール作戦認可までの経緯(情勢の変化に翻弄された作戦/ 阻害要因の克服 ほか)/ 第3章 再評価(インパール作戦/ 牟田口廉也)

【著者紹介】
関口高史 : 1965年東京都生まれ。軍事研究家。元防衛大学校戦略教官・准教授。防衛大学校人文社会学部国際関係学科、同総合安全保障研究科国際安全保障コース卒業。安全保障学修士。陸上自衛隊入隊後、第1空挺団、陸上幕僚監部調査部(情報運用)、研究本部総合研究部(特命研究・陸上防衛戦略)、防衛大学校防衛学教育学群戦略教育室での勤務を経て現職。予備1等陸佐(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    アジア太平洋戦争史上最も悲惨な陸戦として語られるインパールの敗戦は、著者が指摘するように一人司令官の責任ではなく、作戦を認可した大本営などの軍参謀にあるという考え方は同意できる。ただ、それを論じるのに牟田口の軍人像を描いているのだが、その「良き軍人像」が強調されるほど、上述の責任論がぼやけてしまうのでは。つまり「良い軍人が指揮していたが失敗した。よって敗因は良い軍人(牟田口)ではない」という論理構造に陥っているように思うのだ。彼は野戦指揮官としては有能かもしれないが、戦略家としては問題が多いと感じた。

  • 香菜子(かなこ・Kanako)

    牟田口廉也とインパール作戦 日本陸軍「無責任の総和」を問う。関口 高史先生の著書。インパール作戦を失敗に導いたことで知られる牟田口廉也陸軍司令官。インパール作戦の失敗は牟田口廉也陸軍司令官だけが無責任であったことが理由ではない。日本陸軍で責任ある立場にあった人たちの中に無責任な人が多くいたから無責任が無責任を生んで無責任の連鎖が発生してしまったから。今となっては何が真実なのかはわからないけれど無責任でほかの人の無責任を見て見ぬふりしてしまうような人は責任ある立場になってはいけないということかな。

  • CTC

    7月の光文社新書新刊。著者は元防大准教授の軍事研究家でNHKスペシャルなどの考証も行なっているそうだ。本書は有り体に云えば牟田口だけが悪かった訳じゃない、という事を記したいようなんだが…“まえがき”には「なぜ、このように牟田口に対する評価は低いのか(中略)多くの戦没者を出し、負けたことを責めているのだろうか」と書き、「“牟田口擁護論”を期待する方は、その期待を根底から裏切られるであろう」とその「客観性」を売りにするので、期待しちゃったんだけどね。徹頭徹尾牟田口側視点で書かれた本である。

  • 筑紫の國造

    先の戦争でインパール作戦を指揮し、「愚将」の典型のように語られる牟田口廉也とインパール作戦について再考を促す一書。牟田口の誕生からその死まで扱われるが、タイトル通りインパール作戦についての言及が多くを占める。親族のもとにある貴重な写真が掲載されており、「任務重視型軍隊」という日本軍の特性からインパールにおける失敗を牟田口個人のみではなく、陸軍そのものが抱えていた宿痾の発現として捉え直している。初戦では「常勝」だった牟田口は、なぜ戦後「愚将」とされたのか。本書からは、また違った牟田口像が浮かび上がる。

  • パット長月

    著者の略歴をみるに元幹部自衛官(一佐)として旧陸軍なら参謀・師団長といった役どころであり、悪名高い牟田口を「任務重視型軍隊」という組織や当時の世界情勢を考慮した公平・冷静に評価する一方、彼を支えるべき参謀らに対する評価は極めて辛辣である。たぶん著者は正しい。実際牟田口のようなタイプは、今もたぶんそうだし、ましてや高度成長期の企業においてはむしろ普通だったろう。しかし軍隊は企業ではない。実際に一将功ならずとも、万骨を異国で枯らしてしまったからには、立場として、やはりそれなりの身の処し方があったように思う。

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