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ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)

関口涼子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065260777
ISBN 10 : 4065260779
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「料理の話をしてください」戦争の傷跡が色濃く残る街で、わたしは人々に食べ物の話を聞く。多彩な声と仕草で語られる物語は、万華鏡のように街の肖像を描き出す。異なる民族、宗教、文化をもつ人々が一堂に会する理想の食卓は可能なのか。ベイルート、パリ、東京を往還しながら紡ぐ、多様性に満ちた「食」の思考。フランスで刊行され高く評価された作品を著者自ら邦訳した待望の書。

目次 : ホスピタリティ/ 「この街は幻想の対象であり続ける」/ 語りの仕分け/ トラウマ/ わたしのオリエント/ 何を見ても何かを思い出す/ 肌に触れる/ ベイルート、最初の出会い/ 空き地/ 薄暮〔ほか〕

【著者紹介】
関口涼子 : 1970年東京生まれ。翻訳家、詩人、作家。フランス語と日本語で創作を行う。1989年、第26回現代詩手帖賞受賞。早稲田大学在学中の1993年、詩集『カシオペア・ペカ』を刊行。1997年、東京大学総合文化研究科比較文学比較文化専攻博士課程満期退学。その後パリに拠点を移し、フランス語で二十数冊の著作、日本文学や漫画の翻訳を百冊以上刊行。2012年、フランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを受章。2013年、ローマ賞受賞。訳書にP・シャモワゾー『素晴らしきソリボ』(日本翻訳大賞受賞)などがある。2018年、フランス語で『Nagori』を刊行、4つの文学賞を受賞し、5ヵ国語に翻訳される。ピキエ社刊行の食をめぐる日本文学の叢書「Le Banquet(饗宴)」編集主幹。2022年、本書のフランス語版『961 heures `a Beyrouth(et 321 plats qui les accompagnent)』で第42回フランス−レバノン文学賞審査員特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アキ

    食文化はその国の生活、過去、伝統にかかわり、常に動いている。レバノンで過ごした2018年4月からの1か月半321皿のレバノン料理を食した。この国で会う人すべてが料理に興味を持っていた。そしてベイルートはノスタルジーに囚われている街でもあった。「今を生きることは、できる限りの速度で力を一気に使い果たすことの同義語でもあるんだ。忍耐とは、物事が続いていく幻想を抱ける国の美徳でしかない。」内戦とシリアやイスラエルとの戦争、2020年港爆発事故があった市民の声である。日本、フランス、レバノンの視座から語られる食。

  • pohcho

    フランスに住み仏語の本を多く書かれている著者が、本を書くためベイルートに1ヵ月半滞在。その後レバノンでは大規模な反政府運動が起こり、ベイルート港の爆発事故があったとのこと。短く区切られたテーマ、詩的な文章で次々と思うままに書かれているような印象の本だった。打ち解けるきっかけとして料理の話はとても有効で、そこから思いがけない話へと発展するというのはよくわかる気がする。日本の話もあり、朝吹真理子さんの言葉には驚いたが、「福祉民族」という言葉には納得。考えさせられるところの多い本だった。

  • たま

    新聞の書評(「世界の見え方が変わる批評的な1冊」)に誘われ、レバノン料理に興味があって読んだ。著者が2018年にベイルート作家協会の招きで一月半滞在した記録。レバノンの複雑な社会を書くのは難しく食べ物を切り口にしたのだろうが、料理専門家でない人間が一月半で書けることは限らる。食べ物、町の印象、知人(著者も言う通りキリスト教系フランス語話者)の言葉などを雑多に記した数行のメモが約300編。詩的な味わいも正直感じられない。中近東を全く知らない人には新鮮かも知れないが、もう少し掘り下げてほしかったと思う。

  • たまきら

    この本は著者がベイルートの在住プログラムに招聘された際にできた作品のようだ。きらきら様々な色に輝く小さな体験談という粒が、万華鏡や吹き寄せのように魅力的だ。そして、異文化の感覚の違いの面白さよ…。ヒトラーと名付けられたジュースに確かに食欲を失いつつも、何が使われているジュースなのかな…と思ったり。「日本では長寿の秘訣として食されている」モロヘイヤの話をして笑われる話(日本人の方が長寿だから)…食事の記憶ってどうしてこう魅力的なんだろう。人とのかかわりの原点だからなのかなあ…。

  • ねむ

    料理を通してレバノン社会の記憶を聞き取る著者の思考の断片。食べることは日常的すぎて、今の日本ではいかに美味しくとか、いかに安くとか、そういう方向にばかり注目がいくけれど、確かにその社会の姿が否応なく反映されるもの。日本の社会についても考えさせられた。レバノンにはシリア料理やフィリピン料理の店はないという。食事によって力を分けてもらう、だからドメスティックワーカーや弱い国の料理は食べない、というレバノン人の考え方が、いかにも紛争の歴史の長い地域の視点という感じがした。

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