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古代史のテクノロジー(仮)Php新書

長野正孝

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569853819
ISBN 10 : 4569853811
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
January/2023
Japan

Content Description

縄文時代に建てられたという、三内丸山遺跡の通称「縄文タワー」。縄文人は人力だけでどうやってこの15メートルの塔を建てたのか?技術者である著者が精緻にそのプロセスを解説する。また、塔の目的は「狼煙台」であり、宗教上の施設ではなく、ヒスイの交易のために建てられた塔だと説く。さらに、近世まで奈良に「奈良湖」があったことを突き止め、奈良湖と大阪湾に通じる水路である「河内・大和大運河」など、重要な交通手段である水上交通に着目し古代日本の実像に迫る。「古代人は治水を考えなかった」という専門家ならではの仮説も提唱。

目次 : 第1章 古代のビッグプロジェクトを検証する/ 第2章 技術立国・倭国の実像/ 第3章 皇室への血脈をつないだ倭人たち/ 第4章 渡来商人による国土改造/ 第5章 水路で見つけた古代人の凄い発想/ 第6章 古代人は治水を考えなかった

【著者紹介】
長野正孝 : 1945年生まれ。1968年名古屋大学工学部卒業。工学博士。元国土交通省港湾技術研究所部長、元武蔵工業大学客員教授。広島港、鹿島港、第二パナマ運河など港湾や運河の計画・建設に携わる。ライフワークは海洋史、土木史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ひろし

    古代の建物や土木工事を技術面から検証し謎を紐解いている。三内丸山遺跡の六本柱はどう建てたのか、図解による説明はリアリティがある。その構造物が狼煙台ではという仮説も一考に値する。邪馬台国の位置については、陸沿いに船を進めていたと考えると丹後に行き着くそうで、この説も興味深く、検証を進めてもらいたい。奈良から大阪へ流れる大和川の亀の瀬が地盤の滑りで動いている、なんて想像もつかなかった。土木技術者ならではの指摘である。技術者の歴史検証はもっともっとやってもらい、歴史のさまざまな謎を解き明かしてもらいたいと思う。

  • keroppi

    図書館の新刊コーナーで見つけて。著者は、港湾や運河の計画・建設に携わってきた技術者だそうだ。その視点で、古代史を見つめる。だから、湾や港や治水の話が続くのか。今まで読んだことのなかった視点である。渡来人が古墳で宿をとったとか、埴輪はピクトグラムだとか、興味深い話もある。どこまでが事実なのかは分からないが、視点を変えて物事を見るのは、必要なことなのだなと思った。

  • へくとぱすかる

    おもに土木技術の視点から古代史を解いていく。「巨椋池」の存在は知っていたが、干拓された昭和戦前期よりもはるかに大きな湖として古代の復原図が描かれているのには驚く。「奈良湖」の存在は初めて知った。現在の大阪中心部も湖だったから、江戸時代の運河の水辺にならぶ米庫のイメージなど、軽く吹っ飛ばす壮大さだ。古代の景観の復原はおもしろい。よくある古代日本の技術を称賛する本とはスタンスがちがい、古代技術の限界を指摘して、本当はこんな程度だったと考えながら復原しているのが新鮮。歴史像をテクノロジーから見直す点で刺激的。

  • Miyoshi Hirotaka

    土木技術の視点から古代史を解く。万葉集の歌にある「海原は鴎立ち立つ」という一節から古代の河床が現在より高く、奈良に湖があったことがわかる。京都の巨椋池の水面も高く、大阪の大半は水面下。三都は水運ネットワークでつながっていた。長い年月の間には河川や湖沼も姿を変える。私たちが目にしているのは自然災害や中央集権以降の土木工事で形成された地形で、古代のそれとは違う。土地の形成とそれに伴う洪水、つまり人災は繰り返されてきたが、わが国の民は絆で結び合い、技術で危機を逃れ、インフラ整備を進め、豊かな国を作り上げてきた。

  • 多津子

    三内丸山遺跡と奈良湖を中心に、その時代の技術を探る。特に古代の水運に関しての話が面白かった。治水の概念も技術もなく、運用することで水と共に生きてきた時代。公衆衛生が発達していない時代から、京がなぜ千年も都でいられたのか。川の氾濫により洪水が起こり、糞尿まみれの都を定期的に洗い流していたからだという。縄文時代の交易も舟で盛んに行われたというし。日本は水の国なんだなと改めて実感する。

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