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機械仕掛けの音楽誌 自動人形はオペラの夢を見るか

長屋晃一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784865593204
ISBN 10 : 4865593209
Format
Books
Release Date
August/2025
Japan

Content Description

歌え、人造のミューズよ。
科学技術と芸術のはざまに消えた
「音楽の錬金術師たち」の系譜をたどる
もうひとつの音楽史。

歯車は奏で、幻想は踊る。
いざ、音楽と機巧(からくり)の迷宮へ!

ラッパが響きわたる人工洞窟、
海と怪物のスペクタクル、
即興演奏を記録する機械、
虹色を奏でるクラヴサン、
フルートを吹く自動人形、
天使の楽器アルモニカ、
香りをふりまくオルガン……

命なき楽士たちがつづる500年の音楽史。

「音楽は人の手が楽器を鳴らして演奏するもの、人が声を発して歌うものだ。そういう常識の片隅でわたしたちは、機械じたいが鳴らす音楽に心惹かれずにはいられない」
──「前口上 機械が歌をうたうとき」より

「人を驚かせたいという願望が自動人形や自動演奏機械、早変わりする舞台装置を生み出した。アルモニカの音色、ファンタスマゴリーの誘惑、色と音と香りの共鳴、そこには人間の認識にたいする科学の夢がある。あるいは、消えてしまう即興演奏を書きとめようとする試み、これはレコーディング、そして現代の打ち込み式の楽譜入力で可能になった。しかし、その思想・願望は18世紀には生まれ、それほど現代とは異ならないかたちで提案されていた。ただその当時の技術が追いついていなかっただけである」
──「あとがき」より

『月刊アルテス』好評連載、待望の書籍化!


《著者情報》
長屋 晃一(ナガヤ コウイチ)
1983年生まれ。愛知県出身。國學院大學文学部卒(考古学)。慶應義塾大学大学院文学研究科にて音楽学を学ぶ・博士課程単位取得退学。修士(芸術学)。現在、立教大学、慶應義塾大学ほか非常勤講師。19世紀のイタリア・オペラにおける音楽と演出の関係、オペラ・音楽劇のドラマトゥルギーについて研究をおこなう。
著書に『ミュージカルの解剖学』(春秋社、2024)、論文に「ヴェルディにおける音楽の「色合い」:《ドミノの復讐》の検閲をめぐる資料から」(『國學院雑誌』、2023)、「音楽化される川端康成:歌謡曲からオペラまで」(共著『〈転生〉する川端康成 I──引用・オマージュの諸相』、文学通信、2024)などがある。
研究に加えて、舞台やオペラの脚本も手がける。オペラ《ハーメルンの笛吹き男》(一柳慧作曲、田尾下哲との共同脚本、2013)、音楽狂言『寿来爺(SUKURUJI)』(ヴァルター・ギーガー作曲、2015)ほか。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • sayan

    「皇帝の指示を聞かない」といえばロマサガ2の機械仕掛け人形コッペリア。「生命を吹き込みたい」という憧れは、神話時代から「創造主になりたい」と願った詩人が謳うオペラ、それが本書タイトルで自動人形がみた夢か。パリオペラ座で初演を飾ったバレエ作品もコッペリア。奇妙でコミカルでロマンティックな作品は人間の愛の勝利で終る。経済学者アタリは音楽の生産様式の変化は社会の未来を告知するという。機械仕掛けからプログラム仕掛けのコッペリア、それは本書が辿る歴史の延長線上に現れた初音ミクか、あるいはUdioのような生成AIか。

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