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小説「安楽死特区」

長尾和宏

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784893089274
ISBN 10 : 4893089277
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

死にたい、と願うのはエゴですか?
生きていて、と望むのは愛ですか?
〜死と向き合っている医師だから書けた、現代人のエゴイズム、そして愛と情〜

このごろ、「早く日本でも安楽死を認めてほしい」という人が増えた。
その先にどんな未来が待ち受けているのか、書きたかった。(著者)


あらすじ:2024年、オリンピックで疲弊した東京はすっかり元気を失っていた。
人気女流作家の名をほしいままにしていた澤井真子はアルツハイマー型認知症と診断をされ、
小説が書けなくなる前に死にたいとある決断をする。
一方、補助人工心臓手術の名医として名を上げた尾形紘は、
緊急搬送された大手自動車メーカー会長の手術執刀を拒否し、
心臓移植待機中の少女の手術に向かったため、大学病院内外から批判の矢を浴びる。

失意の中、医師を辞める決意をした彼に下されたミッション。
それは、安楽死特区の主治医となり自殺幇助に加担せよ、という受け入れがたいものであった。
さらに、かつての東京都知事、池端貴子は日本初の孤独担当大臣に国から任命されると、
末期がんであることを明かし、「私が、安楽死特区の第一号として死にます」と記者会見を行う…

女と男、それぞれの「死にたい」物語が交差したとき、前代未聞の事件は起きた。

2024年 〜無の明るい夜のために〜

女流作家、澤井真子

心臓外科医、尾形紘

女流作家、澤井真子

心臓外科医、尾形紘

旅行写真家、岡藤歩

心臓外科医、尾形紘

女流作家、澤井真子

歌舞伎町の熟年ホスト、鯨井正平

旅行写真家、岡藤歩

女流作家、澤井真子

エピローグ

あとがきにかえて

【著者紹介】
長尾和宏 : 医学博士。医療法人社団裕和会理事長。長尾クリニック院長。一般社団法人日本尊厳死協会副理事長。日本慢性期医療協会理事。日本ホスピス在宅ケア研究会理事。一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会理事。関西国際大学客員教授。2012年、『「平穏死」10の条件』がベストセラーに。まぐまぐ!有料メルマガ“痛くない死に方”も話題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • モルク

    2024年社会保障費の膨張に対し国民皆保険を維持するため、末期ガン難病など根治不能の人や認知症を対象にした「安楽死特区」という構想を打ち出す。超高齢化社会、団塊世代が後期高齢者となった時、さらに今回の新型コロナでの医療事情を考えると医療保険等の逼迫は明らかである。となると「長く生きることが全てではない」という考えが出てきても不思議ではない。本人、家族の納得のもとに究極の選択の一つであれば心は少し楽になるかな。日本では実現が難しいが。ただ、いいテーマだけど小説としては少し読みにくかった。

  • ゆみねこ

    長尾和宏さん、初読み。近未来の日本で「安楽死法案」が可決。長生きしたくない人は早く死んでもらった方がいい。そこに秘められていた大きな罠とは?色々問題はあると思うのですが、尊厳死は認められても良いのではないかと。

  • あも

    耐え難く不可逆な苦痛がある時、自分は安楽死を望むだろうか。一方で大切な人がそうである時、きっと一日でも長くを望んでしまう。どちらもエゴだ。緩やかに衰退していく近未来の日本。安楽死を解禁するための特区が東京に生まれる。末期癌になった女性都知事。認知症に怯える往年の人気女流作家、難病に苦しみ死を望む青年カメラマン…。群像劇のようにそれぞれとそれぞれの周囲の人たちが死に向きあう。死ぬことを考えることは生きることを考えること。目をつぶってやりすごしてもいつか誰もが絶対に死ぬ。考えさせられた。考えたい人にオススメ。

  • しーちゃん

    当然架空の物語だけど、もしこんな施設があったら間違いなく入所したい。根治不能な難病、重度の認知症、自分が自分でいられるうちに、自分の意思で寿命を終えたい。2024年、国民皆保険の崩壊を阻止すべく、安楽死を推奨する特区が出来る。なんと先進的な!ただ、この思想のまま物語を終えるのかと期待したが、思ってもいない終わり方に唖然。2流のドラマになってしまい裏切られた感は否めず。ただ、その時を迎える前に自分の意思をちゃんと形で残しておかなくてはと肝に命じた。死ぬのが怖くなくなる、そんな末期を迎えたい。

  • 里季

    安楽死には肯定的に感じていた私だが、これを合法的倫理的に施行するにはいろんな角度からの検証が必要だと思い直した。以前として賛成なのではあるが。医学中途半端に発達し、寿命は延びたが息をしてるだけのむごい状態の人を量産してしまった。大誤算である。

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