Books

「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ 中公新書

鈴木正彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121027634
ISBN 10 : 4121027639
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

生物の進化は、自らが生き残り、遺伝子を次世代に継承するための「利己的」なメカニズムとして説明されることが多い。だとすれば、種を超えて観察される「利他的」な行動は、どのように理解すればよいのだろうか?本書は、植物学者と動物学者がタッグを組み、その謎の答えに迫る。カギとなるのは「共生」という戦略である。互いの強みを融合し、欠点を補い合いながら自然淘汰に打ち克った生物たちのドラマ。

目次 : 序にかえて 生物は利己的か、利他的か/ 第1章 生命の特徴とは?/ 第2章 ミトコンドリアと葉緑体を飼いならす―細胞内共生説/ 第3章 共生のルーツは「盗っ人」だった?―盗葉緑体と盗毒/ 第4章 依存しきって生きるには―口を持たない深海動物の暮らし/ 第5章 昆虫と植物の華麗な騙し合い―Win‐Win関係の裏側/ 第6章 大事な共生相手を攻撃する理由―植物と菌のコミュニケーション/ 第7章 「超生命体」としての私たち―ヒトと腸内細菌の共生から考える/ 終章 進化と「利他」―生命のドライビング・フォース

【著者紹介】
鈴木正彦 : 1948年神奈川県生まれ。東京大学大学院理学系研究科植物学専攻博士課程修了。理学博士。三菱化成総合研究所・植物工学研究所チームリーダー、青森県農林水産部理事、農林総合研究センター・グリーンバイオセンター所長、北海道大学教授を歴任

末光〓志 : 1948年大阪府生まれ。東京大学大学院理学系研究科動物学専攻博士課程修了。理学博士。埼玉大学教授を経て、同名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • けんとまん1007

    「利他」「利己」という言葉。そして「共生」という言葉も含めて、考えさせられる。捉え方で、随分、違うものだなあ〜と思いながら読んだ。それが、生命の歴史でもあり、まさに、生き残ったものがその結果である。偶然、突然変異の結果が、今のつながる。それは、単に、一生命体だけでなく、種、或いは社会にもつながる視点。タイトルにある生物学の中に、人も入る。科学の書でもあり、哲学の書でもあると思う。

  • よっち

    利己的な動機に基づいて、自然淘汰される中を生き残ってきた生物進化。そこで多くの事例が観察される利他的な行動を植物学者と動物学者がタッグを組み、カギとなる「共生」という戦略をもとにその謎の答えに迫る1冊。なぜ利他的な行動というものが生まれたのか。進化に使えるものは何でも使ってきた生物たちが、共生することで見出した活路。昆虫と植物の華麗な騙し合い、植物と菌のコミュニケーション、腸内細菌との共生から見た超生命体としての人類など、共生することは必ずしも利他的行動ではない生物たちの営みをなかなか興味深く読みました。

  • ひめぴょん

    植物学者と動物学者による共生などを例にして生きものの相互関係を知る本。生き物が存在し続けるためには自分だけというやり方では上手くいかない。持ちつ持たれつというところか。バランスが崩れると、人間同士の関係もうまくいかなくなる。以下は文中で気になった言葉。 利他的行動のほうが、利己的行動よりも集団としてのメリットが大きい。 進化に必要なのは遺伝であり、遺伝子を保持する個体自身は「遺伝子の乗り物」(ドーキンス) 利他性に関わるオキシトシンは子供や他の動物の世話をすることによっても分泌される。「育てる行為」は面倒

  • テツ

    タイトルにある『利他』ではなく『共生』についての内容。生物の目的は自らの種がこの地上で唯一の種になることではなく、遺伝子を受け継ぎ続けること。そのためにまず自らを生き延びさせることが先決だし、その途中で他の種に利益を与えても構わない。別に他種を蹴落とすことが目的ではないのだから。「どれかが、だれかが、遙か未来に至ればそれで構わない」という執念が生命には備わっているように錯覚してしまうな。共生も競争もそのための手段にすぎない。誰でもいいから生き延びろ。

  • 紡ぎ猫

    単なる科学の説明だけにとどまらず、そこから、人間社会とは何か、生きるとは何かみたいなことを考えるよう促してくれる。結局、生物は利己的でもあり利他的でもあり、その両方があったからここまで進化してきたのかなと思う。ある集団の中で協調的な人間は70%、協調的でない人間は30%だという。それが逆じゃなくてよかった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items