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ラバウルの迷宮

鈴木智 (作家)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309032221
ISBN 10 : 4309032222
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

収容所での芝居上演計画の謎。陰謀、殺戮、友情、そして祈りが交錯する。横たわる地下迷路。ジャングルに、雪は降るのか?終戦直後、日本軍最大の前進基地ニューブリテン島のラバウル基地には、10万人の無傷の日本兵がいた。彼らが収容された「第九収容所」では、密かに暴動の噂が広がった。一方、潜入した元情報士官に下された密命は、本土でGHQに禁じられた「忠臣蔵」をこの地で上演せよ、というものだった―。日本人の誇りと戦後の希望を賭けた、大舞台の幕がいま上がる!!実話に基づく感動のヒューマンサスペンス。

【著者紹介】
鈴木智絵 : 栃木県宇都宮市出身、早稲田大学卒業。報道、ドキュメントの構成・演出を経て、オリジナル脚本が複数のコンクールで高い評価を受け脚本家に。担当した脚本に、映画「誰も守ってくれない」(モントリオール国際映画祭 最優秀脚本賞)、「金融腐蝕列島・呪縛」(日本アカデミー賞優秀脚本賞/キネマ旬報最優秀脚本賞)、「青い文学人間失格」(ロッテンダム・フューチャー映画祭グランプリ)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • hiace9000

    図書館書架で偶然目があった一冊。 南方戦線舞台の戦争小説。時は戦後間もない混沌期。武装解除された日本人十万人が収容されるラバウルの収容所。生き残ったことに様々な思いを抱く日本兵たちが立ち上げたとある計画とは―。数々の映画・ドラマを手掛けた実力脚本家である作者は、多様な人物を巧みな造形で彫り出し、実話ベースの手に汗握る感動の長編ヒューマンサスペンスに仕立てる。戦争への怨嗟と戦後の希望を見事編み上げた、到底"デビュー作"とは思えぬ映像化必至の傑作。「戦後八十年」と銘打つ数ある作品群のなかでも珠玉の一作だ。

  • オーウェン

    太平洋戦争後、多くの日本人兵が囚われていたラバウル捕虜収容所。 敗戦後ということで、日本兵は打ちひしがれており、その心を鼓舞するため忠臣蔵の劇を作るという提案を掲げる。 許可を得るため支配しているオーストラリア兵に頼み込み、各分野で力を発揮する兵たち。 演じる役者は勿論だが、美術やセットにまで並々ならぬこだわりが。 そのために自決するという命の限りを尽くしてまで全うする。 やはり敗残兵という心情があり、生きることは恥とされる当時の兵士の心情が伺える。 劇に応じて暴動を扇動しようとする者への制裁も当然である

  • アルピニア

    第二次大戦中、ラバウルには10万人の日本兵が配置された。地下要塞、自給自足態勢を整え決戦の時を待っていたが、終戦。彼らは豪軍監視のもと武装解除し、自ら設営した収容所で、いつになるかわからない本国帰還を待っていた。そのような状況下、第九収容所で「忠臣蔵」を上演する構想が持ち上がった。しかし暴動計画の噂も。霧島は暴動を阻止する密命を受けて第九収容所に向かった。地下司令部で霧島と永峰が対峙する場面では、私も永峰に飲み込まれそうになり、心の中で霧島と一緒に違うと叫んでいた。戦争による心の傷の計り知れなさを感じる。

  • rosetta

    ★★★★☆超現実的な事が起きるわけではないのに何故かマジック・リアリズムの雰囲気。それは地下迷宮という異世界に奥泉光的なものを感じてしまうからなのかも知れない。終戦時ラバウルには手付かずの10万人の日本兵が、東京から浜松に至るほどの長さの地下基地を掘り自給自足で温存されていた。元商社員の情報将校霧島はゼングル岬で全滅した五百人の部隊のことが心の傷になっている。それは全10万人の玉砕の先陣だった。戦後の収容所で虜囚達が忠臣蔵の上演を計画するが、その影には反乱が企てられていた…命の姿と生きる価値を問う戦争文学

  • katsukatsu

    太平洋戦争終盤、ラバウルをスルーして沖縄に上陸した米軍、その結果、ラバウルでは10万人の兵を残したまま終戦を迎えます。ラバウルの収容所を管理していたのは5千人の豪軍。暴動の噂のある第九収容所に行くことになった霧島は、敗戦に打ちひしがれている日本兵の気持ちを鼓舞するために忠臣蔵の芝居をすることに……。脚本家でもある作者の場面転換の早さは小気味よく、まるで映画を見ているよう。映像にしたら美しいだろうなあと思います。芝居の準備が進むにつれ、暴動の噂も真実味を帯び……。緊迫するストーリーに引き込まれていきました。

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