Books

女性たちの保守運動 右傾化する日本社会のジェンダー

鈴木彩加

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784409241288
ISBN 10 : 4409241281
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2019
Japan

Content Description

「家族」「性差」を強調する保守に、その社会的抑圧を経験した女性が、なぜ合流するのか。本書はその実態に、戦後の保守運動史、現代フェミニズム理論、保守派の言説分析、保守団体へのフィールドワークという四つの視点から迫ってゆく。女性による保守運動に内在するアンビバレンスを明らかにし、ジェンダー論にも新たな視角をもたらす社会学研究の力作。

目次 : 保守運動の台頭とジェンダー/ 第1部 女性たちの保守運動を捉える視点(戦後日本社会における保守運動の系譜/ 右派女性に関する米国フェミニズム研究の展開)/ 第2部 保守運動と家族(日本遺族会における家族言説の変遷―“苦労する母親”像に着目して/ 「家族の価値」をめぐるポリティクス―保守系雑誌記事の分析から/ 女性たちの男女共同参画反対運動―愛媛県の事例から)/ 第3部 保守運動と女性の生/性(焦点化される「慰安婦」問題―「行動する保守」活動動画の内容分析/ 「慰安婦」問題を嗤えない女性たち―「行動する保守」運動における参加者の相互行為とジェンダー)/ 日本社会で生きる女性たちの保守運動―その困難と展望

【著者紹介】
鈴木彩加 : 1985年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科招へい研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ケディーボーイ

    日本における女性の保守運動を男女共同参画反対運動と慰安婦問題中心に取り扱う。 表にはでない(だせない)が女性と男性活動家の主張は一枚岩ではない。むしろ対立しかねない面もあるという。 共同参画反対運動では「家族」の語りが異なっていたり、慰安婦問題に関しては表面的にではあるが女性は同情的な部分もみせていたりする。 日本社会における女性の抑圧的状況が、女性保守活動家の慰安婦への発言の土台になっているという指摘は興味深かった。民族差別的な要素が加わってはいないが伊藤詩織さんへの態度にも通ずるものがあるのでは。

  • おさむ

    男女共同参画に反対したり、慰安婦をバッシングしたりする女性の運動という動きを分析した本著。今年の大佛次郎賞。興味深いのは、個別具体的なミクロな話と、国家・社会というマクロな話が接続されている実態。さらに男女共同参画は男女間・夫婦間の対立を煽ると認識してされている。慰安婦問題では、現代日本の女性は性暴力被害に遭えば社会から烙印を押されて救済されないのに、なぜ慰安婦だけが支援されるのかという憤懣の論理からの行動という。家族や性など男性が扱いづらい課題が浮上したことも、女性の保守運動につながっているのだという。

  • カモメ

    日本遺族会、英霊にこたえる会、日本会議、新しい歴史教科書をつくる会等の保守運動を経て、有識者でない女性が保守運動に参加することになるのは男女共同参画社会基本法制定に際してだった。遺族会では苦労する母親像を経て遺族が高齢化し「家族の価値」言説が増え始めた。主婦バックラッシュとフェミニズムの類似性が興味深い。女性による元慰安婦への攻撃は@給料が高く経済的に恵まれているA売春婦は恥だという二種類あり日本で女性の人権が保障されていない現状の上に成り立つ。日本の女性の保守運動は男性中心的価値観を内面化していた。

  • miunac

    保守支持の女性たちにある両義性つまり男性中心社会に対する違和感乃至居心地の悪さを剔出したところまでは立派。しかし、問題はそこから先を考えることだよね。安易にフェミニズムと接続するのはやはり無理があると思う。上野千鶴子が褒めてたけど、それほどのものではない。

  • tomosun

    筆者は1990年以降の日本の女性による保守運動を実証的に調査し保守運動を女性ジェンダーの観点から丁寧に解釈する。筆者によると保守運動の女性達は「愛国」という主義については既存の男性主導の保守運動と立場を同じだがジェンダー観に関しては保守多数派の男性達とは必ずしも主張が同じではなく寧ろ違う。にも関わらず女性達が男性主導の保守運動に同調する事は日本社会が女性の生・性をつよく抑圧している状況で、そのような社会制度や規範を変えることなくドメスティックな場に留まる女性達の地位向上を目指す事を意味すると解釈する。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items