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ネット右翼になった父 講談社現代新書

鈴木大介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065308899
ISBN 10 : 4065308895
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2023
Japan

Content Description

社会的弱者に自己責任論をかざし、嫌韓嫌中ワードを使うようになった父。息子は言葉を失い、心を閉ざしてしまう。父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか?父は本当にネット右翼だったのか?そもそもネトウヨの定義とは何か?保守とは何か?対話の回復を拒んだまま、末期がんの父を看取ってしまった息子は、苦悩し、煩悶する。父と家族の間にできた分断は不可避だったのか?解消は不可能なのか?コミュニケーション不全に陥った親子に贈る、失望と落胆、のち愛と希望の家族論!

目次 : 第1章 分断/ 第2章 対峙/ 第3章 検証/ 第4章 証言/ 第5章 追想/ 第6章 邂逅

【著者紹介】
鈴木大介 : 1973年、千葉県生まれ。文筆業。2020年、『「脳コワさん」支援ガイド』(医学書院)で、日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • absinthe

    生前に理解できなかった父の姿を死後に理解する話。年代が上の人ほど右寄りになっていくのは仕方がない。本書は著者が右と左の区別を理解しないまま右往左往する混乱した思考の過程をそのまま文にしたもので、読むのはつらい。しかし、知らないこと、調べて分かった事、推測、をきちんと分けて書いたのは良かった。未整理である分、かえって隠し事をしない誠実な感じもする。思想に無関心だった人が見る世界は、こうなんだという驚き。著者は左の傾向を持つので不安だったが、最後は少し感動した。

  • ゆいまある

    私自身の父がもうじき死ぬ。嫌いだった。大嫌いだった。著者は私と同世代。父の年齢も、双方がASD特性を持つ頑固者であるところも同じ。加えて著者と私の政治的なスタンスが近く、この嫌悪感実によく分かる。元々距離があった父がネトウヨぽい発言を繰り返すようになり、溝が深まったまま死亡。その後父について調べ、憎むべき差別論者ではなかったことを知るルポ。自分自身の中にあるネトウヨアレルギーについても。私は父から虐待を受けたが、医者としての父は尊敬しており、似てることも自覚している。だから家族って難しいよな。

  • 読特

    2019年に逝去した父。その2か月後のWebメディアへの寄稿。晩年の”ネトウヨ化”を嘆く。そこから始めた検証。家族や友人の話を聞く。思い込んでいた父の像とは違う。偏執化などしていなかったのではないか。心を閉ざしていた自分にも問題はなかったのか。父への想い。右傾化と分断という社会問題を取り上げるつもりが自身の悔恨へ。差別表現は看過できぬが言葉狩りだけで終わらせてはよくない。発言は思想の断面に過ぎぬ。それが発せられる背景は何なのか。エンパシーを働かせねばならぬ。真の解決は探索と推測を繰り返し行きつくもの。

  • ネギっ子gen

    【どうしても好きになれなかった。全然、好きになれたことがなかった。けど、大事な人だった……】父親が、この世を去った――。その父の晩節は、癌と同時にヘイト思想の猛毒に侵されていた。著者は、女性や子どもの貧困問題を主要テーマとしてきたルポライター。<蔓延する自己責任論を払拭したい、見えないところで苦しんでいる声もない人々の言葉を代弁したい>、そんな願いを込めルポを書き続けてきたのに、父の遺品PCに残されていたのは、嫌韓嫌中などの右傾コンテンツだった。かつての父は、フラットな感覚の持ち主だったはずなのに……。⇒

  • k5

    『ギャングース』の「すずきメモ」の人が書いた、個人的な体験にビンビン来る本。自分の個人的な体験については、コメントの方に書くとして、日本の戦後思想史的に意味がある考察だと思いました。朝日が行った「平成の30冊」に、最近亡くなった大江健三郎が一冊も入っていなかったことに、私などはとても驚いたのですが、その一位に『1Q84』が入った村上春樹の左翼を相対化する世界観の方が、いろいろアレであるにも関わらず主流になったのは、「左翼にあらねば人にあらず」のような世相を経験した人の不快感なのかと思いました。

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