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庭師 小川治兵衛とその時代

鈴木博之

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784130638111
ISBN 10 : 4130638114
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2013
Japan

Content Description

工業用水として計画された琵琶湖疏水を変じて、近代和風文化の粋を示す自然主義の庭園に用い、パトロンたちが自己を演出し、人びとと会い、決断を下し、孤独に沈潜するための「場」を創造しつづけた七代目小川治兵衛―その活動の軌跡から、日本における近代が生み出した精神を読み取る。

目次 : 1章 近代化のなかの琵琶湖疏水開発/ 2章 はじまりとしての山県有朋/ 3章 庭園におけるブルジョワジーと華胄界/ 4章 琵琶湖疏水を庭園へ/ 5章 庭園世界の拡大/ 6章 数寄者たちの創造のあり方/ 7章 最後のパトロン

【著者紹介】
鈴木博之 : 1945年、東京都生まれ。1974年、東京大学工学系大学院博士課程修了。工学博士。ロンドン大学コートゥールド美術史研究所留学、東京大学工学部専任講師を経て、1990年より東京大学大学院工学系研究科教授。2009年4月より青山学院大学総合文化政策学部教授。2010年4月より博物館明治村館長併任。主著:『東京の「地霊」』(文藝春秋、1990年、サントリー学芸賞)、『ヴィクトリアン・ゴシックの崩壊』(中央公論美術出版、1996年、日本建築学会賞)、『都市へ』(中央公論新社、1999年、建築史学会賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • chang_ume

    近代化プロセスのなかで「植治」の作庭を位置づけた一冊。住友家など財界パトロンに加えて、山県有朋・西園寺公望・近衛文麿からなる政治家系譜に「近代和風」庭園がいかに受容されていったのか。また明治期の鴨東開発について、地形高低差を活用した水車動力用の「パワーカナル」として琵琶湖疏水の建設経緯を再評価する視点は新鮮です。ただ類書のミネルヴァ評伝(尼崎博正著)に比べて、小川治兵衛本人の個人史・活動史は記述が抑えめで、煎茶道を含めた「近代和風文化」そのものへの言及は乏しいと感じました。あくまで周辺史といった印象。

  • コカブ

    友人から鈴木博之の著作を進められたので、最新作を手に取ってみた。著者は建築家なのだが、庭園を題材にしたのはこれいかに。小川治兵衛は、庭園に水の流れを持ち込んだ人物だと記憶しているが、その歴史的な背景を描いている。歴史が好きな人なら面白いだろう。ただ庭園が好きというのなら、やや上級者向けではないか。まずは琵琶湖疎水の話からで、当初は水車を利用した産業開発を念頭に置いた事業だった。ところが時代は水力から蒸気機関に移り、琵琶湖疎水は水運と水力発電が主軸になる。余った水車用の水が庭園用に転用されることになった。

  • インテリ金ちゃん

    琵琶湖疏水の開発を横軸に、日露戦争の勝利に始まり、第二次世界大戦終戦までの、戦前日本の繁栄期(1905〜1945)の作庭の営みを山縣、西園寺、近衛、政商を縦軸に紹介。名園の生存率も低い。

  • Hiromi Iizuka

    明治期、近代庭園を造った小川冶兵衛。数寄者と呼ばれる財政界の大物達の庭園をてがけた。この時代のお金持ち達の別邸文化や建築、庭の趣向がわかり、興味深い。

  • dulce_zakka

    濃厚

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