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なめらかな社会とその敵 Picsy・分人民主主義・構成的社会契約論 ちくま学芸文庫

鈴木健

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480511201
ISBN 10 : 4480511202
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan

Content Description

来たるべき300年後の社会を実行可能な形で構想した画期的試論、ついに文庫化!この複雑な世界を複雑なまま生きることはいかにして可能か―。これが本書の中心にある問いだ。生命の起源から説き起こし、膜と核の問題が社会制度と地続きであることが、最初に示される。社会の“なめらかさ”とは、膜の機能を弱め、諸物が連続的なつながりをなすネットワークへと開いていくことにほかならない。それは、情報技術の支援の下、貨幣・投票・法・軍事というコアシステムの変革によって実現される。近代のメジャーバージョンアップだ。巻末には、原著刊行後に顕在化した問題を俯瞰する新論考を付し、本書の現代性と可能性をあらためて照射する。

目次 : 第1部 なめらかな社会(生命から社会へ/ なめらかな社会)/ 第2部 伝播投資貨幣PICSY(価値が伝播する貨幣/ PICSYのモデル/ PICSY、その可能性と射程)/ 第3部 分人民主主義Divicracy(個人民主主義から分人民主主義へ/ 伝播委任投票システム)/ 第4部 自然知性(計算と知性/ パラレルワールドを生きること)/ 第5部 法と軍事(構成的社会契約論/ 敵/ 生態系としての社会へ)

【著者紹介】
鈴木健 : 1975年長野県生まれ。1998年慶應義塾大学理工学部物理学科卒業。2009年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は複雑系科学、自然哲学。東京財団仮想制度研究所フェローを経て、現在、東京大学特任研究員、スマートニュース株式会社代表取締役会長兼社長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 逆丸カツハ

    読書の最大の醍醐味というのは、自分がはるか遠く及ばない知性の前に圧倒されることだと思う(やせ我慢もややありますが)。自分にとって本書はそういう本だった。謎の残る壮大な自然を前にしたような、素晴らしい読書でした。

  • アナクマ

    私の読解はすべて見当違いかもしれない、という悲しい前提で。◉「この世界に境界が引かれていることへのナイーブな違和感…そもそも境界自体を消し去り、なめらかな社会をつくることはできないのだろうか。複雑な世界を複雑なまま生きることを可能にする新しい秩序、それがなめらかな社会である」「認知/対策コストの問題から、私たちは複雑な世界を複雑なまま観ることができず、国境や責任や自由意志を生み出してしまう」。社会制度(貨幣、投票、戦争)をなめらかにする構想を「数学的に、人々にとって想像できるかたちで提示した」書。→

  • アドソ

    タイトルに惹かれて読んだけど、いやまあ難しいです。難しいというより、最初の線形代数の部分が曖昧模糊としていて中途半端。着想のエッセンスを伝えようとしているのだろうけれど、これだけでは理論的に正しいのかどうかさえ判断できない。後半に行くにしたがってだんだん面白くなってきた。1人の人間をいくつもの個に分ける発想は面白いし、すでにSNSでの別人格や、メタバースでのアバターとして実現しつつあるといえるのでは。でもどれもこれも最初の線形代数の成否にかかっているかと思うと、もう少し厳密に吟味しなくてはと思う。

  • Sayaka Nakano

    人間の所有欲を細胞膜と核の構造まで落とし込んで考察し、多様性を保持したまま社会を継続させる仕組みや方法についてあれこれ提案していく感じの内容。めちゃ面白いけど語られる社会像に人の善意や悪意によって起こる行動の乱数、渋滞学的な管理不能さ、目的と違った技術利用をすぐに始める人々の独創性などが加味されてなさすぎて机上の空論ぶりがマルクスの本読んでるみたいだった。事件の起こらないSF世界のディストピア感。ただ、机上論だとしても論としては面白いしこういう発想が実際の私達の世界を耕して、少しずつ変えていくんだなと。

  • Pustota

    細胞の「膜」と「核」の構造をフラクタルのように拡張して、社会の分断や制度の硬直化を論じるのが面白かったし、その背後の見えなくなっている「網」としての世界を取り戻すためのシステムというアイディアも面白かった。計算式は力不足で全く読み解けなかったし、実現性・実効性がどれほどあるのかはわからないけれど、それを別としても物事の見え方が変わる刺激的な本だった。技術はそれ自体は世の中を良くするものではなく、使う人間たちの努力が一番大切。

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