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日本語の発音はどう変わってきたか 「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅 中公新書

釘貫亨

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121027405
ISBN 10 : 412102740X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
釘貫亨 ,  

Content Description

問題「母とは二度会ったが父とは一度も会わないもの、なーんだ?」(答・くちびる)。この室町時代のなぞなぞから、当時「ハハ」は「ファファ」のように発音されていたことがわかる。では日本語の発音はどのように変化してきたのか。奈良時代には母音が8つあった?「行」を「コウ」と読んだり「ギョウ」と読んだり、なぜ漢字には複数の音読みがあるのか?和歌の字余りからわかる古代語の真実とは?千三百年に及ぶ音声の歴史を辿る。

目次 : 序章 万葉仮名が映す古代日本語音声―唐代音からの推定/ 第1章 奈良時代の音声を再建する―万葉びとの声を聞く/ 第2章 平安時代語の音色―聞いた通りに書いた時代/ 第3章 鎌倉時代ルネサンスと仮名遣い―藤原定家と古典文学/ 第4章 宣教師が記録した室町時代語―「じ」「ぢ」、「ず」「づ」の合流と開合の別/ 第5章 漢字の音読みと音の歴史―複数の読みと日本の漢字文化/ 第6章 近世の仮名遣いと古代音声再建―和歌の「字余り」から見えた古代音声

【著者紹介】
釘貫亨 : 1954年、和歌山県生まれ。1982年、東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。1997年博士(文学)・名古屋大学。1982年、富山大学人文学部講師、1987年、同大学助教授、1993年名古屋大学文学部助教授、1997年同大学教授、2000年同大学大学院文学研究科教授。名古屋大学名誉教授。専攻、日本語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 六点

    奈良時代から明治までの日本語の発音が如何に変化してきたかを辿る本。上代特殊仮名遣いの説明で一番わかり易い説明を見たような気がする。1000年以上前の日本語の発音が、万葉集の中に保管されていたと言うのは、「古朝鮮語」の余りの保存されていなさに比べれば、途方もない幸運であったと言える。和歌の字余りはあ行音に限られるという事実が、戦後発見されるなど、日本語の発言についての様々なトピックが散りばめれていて、楽しむことができた。

  • へくとぱすかる

    奈良時代のハ行子音が「P」だったことは有名だが、後に音が変化し、16世紀の『日葡辞書』には「F」で記録されている。かつては「下くちびるをかんで」などと書いた解説本まであった。ところが本書には、ハ行子音が唇歯音(つまりf)であったことはないと明言されている。やっぱりそうだったか。英語みたいなfがあったと思ったのは幻だった。自分のために基準を作ったとはいえ、藤原定家が果たした日本語表記への影響が巨大なことを改めて認識。「お」と「を」についての、本居宣長の推論には脱帽。現代の国語学者と肩を並べられそうに思った。

  • ヒデキ

    古代からの日本語の歴史を 専門から、解説して頂いています 判らない箇所をチェックしながら読んでいますので 再読必要です 今に伝わる古語が、決して原文では無く、多くの先人たちの 努力によって私たちの読める(それでも、難しいですが) ものになってきたことを知ることができただけでも 嬉しいことです

  • yamatoshiuruhashi

    副題に示す通りに日本語の発音の変遷を概説する一書。確かに内容は専門的ではあるが、それを素人にも分かり易く書こうと努力されている。所謂「歴史的仮名遣い」と発音の関係がストンと納得がいった。(尤も専門家ではないので超え難い一線はあるのだが。)逢坂と大阪はオーサカと発音しながらも「あふさか」、「おほさか」と違いが出る理由も納得。「ハ行」は奈良時代はp音で発音されていたが、室町時代にはf音と変わってきた。故に「羽柴秀吉」は「ファシバフィデヨシ」と発音されていた、などトリビア探しとしても十分楽しめる。

  • Toska

    歴史の中で日本語がたどった長い旅路を追体験できる得難い読書。専門用語が飛び交う難しさはあるが、理解できる部分をつなぎ合わせていくだけで充分に面白いし学びも大きい。なぜ漢字本来の発音に基づいているはずの音読みが何種類もあるのか?どうして「円」は英語で「Yen」と表記されてしまうのか?等々、今まで当たり前と思っていた現象でも、その根っこを探ることで多くのものが見えてくる。日本語の強みと弱み、そして深みが堪能できます。

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