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増補なぜ書きつづけてきたかなぜ沈黙してきたか 平凡社ライブラリー

金石範

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582768282
ISBN 10 : 4582768288
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

在日を代表する二人の作家が、四・三事件の闘いの現在と文学の軌跡を再び語りあい、記憶と歴史を回復する文学の可能性を追求する。

【著者紹介】
金石範 : 1925年、大阪生まれ。小説家。「鴉の死」(1957)以来、済州島四・三事件を書き続け、1万1000枚の大長編『火山島』(1976‐97)を完成させる

金時鐘 : 1929年、朝鮮生まれ。詩人。済州四・三の蜂起に南労党員として関わり、日本に脱出

文京洙 : 1950年、東京生まれ。立命館大学国際関係学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 二人娘の父

    衝撃である…金石範氏と金時鐘氏。一方は4.3事件前に現地を離れ、もう一方はまさに事件の現場を体験する。しかしその後の事件の向き合い方は、一方がひたすら事件を創作活動の中で追求し続け、体験者は沈黙する。相対する二人の在日人の感性と感情の交錯が、読む者の心を揺さぶる。編者・文京洙氏の背景解説は4.3事件を理解する上では欠かせない。しかし関東大震災後の虐殺にも言えるが、人間はここまで同じ人間の尊厳を「平然と」奪えるのか。何が人間をそうさせるのか。その事実に私は打ちのめされ続ける。答えは見えない。

  • onisjim

    なんとも重苦しい記憶、歴史をめぐる対話だが読む価値がある。そしてディアスポラと言語・文学という問題系の切実さを知る、ひとつの端緒となりうるだろう。

  • kentaro mori

    ⚫︎四・三事件というのは、アメリカのいう正義とか自由とかの本質を明かす歴史的事件でもあるんですよね。第二次世界大戦以後のね、米ソの二大超大国が角突き合わせる中で、アメリカ軍と民衆の側がね、限られた地域で衝突したのは済州島しかないんですよね。それも一月や二月のことじゃなくて、実質二年近くもかけてね。これはもうそのまま、アメリカの戦後政策というのかな、うちの国をめぐっての戦後処理、これ日本も含まれますが、「反共」という「大義」のためには手段を選ばないアメリカの、残忍な体質を最も露呈した事件だと思いますね。それ

  • りゃーん

    二次大戦後の東アジア情勢の膿が全て破裂した様を見せた済州島事件を事件の当事者である詩人と現場から離れていた小説家による対談。苛烈な虐殺の記録を語るものだが、連合赤軍事件やアイヒマン実験を想起させる普遍性がある。同時に祖国や民族の恥部や呪われた記憶を語ることに妙なカタルシスがある。恥部を語ることは恥ずかしいことではない。反省という自虐でない、特撮でゴジラが我が住む街を業火で焼くようなシーンを見せつけられるような臨死体験の如き錯覚がある。最後2人は巫女による儀式を語るがやはり全てを疑うと最後に神が現れるのだ。

  • ゆに

    生き生きした言葉で、金時鐘と金石範の半生と済州島の関係が語られている。自分の興味関心に引き付けて言うと、虐殺の痕跡を隠すための水葬と、水葬された人々の魂を呼び戻すために浜辺で行われるシャーマンの儀式についての話が印象深かった。

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