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花とあきビン

金子光晴

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784790604082
ISBN 10 : 479060408X
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2025
Japan

Content Description

本書は、二度にわたる東南アジア/欧州への長期放浪を経て、太平洋戦争と騒乱の六十年代をくぐり抜け、人生の最終コーナーに差しかかった金子光晴が、戦場の空き瓶とその中で萎れている花に仮託し、神と宇宙の狭間にある深い孤独を語った、最後の書き下ろし詩集である。
『踏止りのない昏睡に入る、その瞬間に、影と魔性はもつれあい、
そこの辻で、
千年と、一瞬がすり變る!』
『人間がいなくなって、第一に困るのは、神樣と虱だ』 
『一九xx年、人類の科學が遂に、、ロケットに二十人もの人をのせて
 月に上陸することに成功しても、子供の好奇心を滿足させただけで、ラジオニュースが耳のはたでがなり立てても
 またか、という顏で、人はききながす。
 この地球には、もっと切羽つまった、解決できないことがいっぱいあるからだ。』
(文中より)

 本書執筆時、金子はすでに77歳。死の3年前にしてこの筆力。日本を代表する象徴詩人である金子光晴。その没後50年を迎える今、深淵に向かう孔が開きかけているかのようなこの時代にこそ、もっと読まれるべき詩集である。
カバーには、パリでの極貧生活のなか、今から約百年前のカフェの賑わいを独特のペーソスで描いた光晴自作の水彩画「モンパルナスの景」を使用。昭和百年、金子光晴没後50年!
田村隆一・評:
素晴らしい詩集である。(略)おそらく金子さんの全詩集の中でも、この詩集はもっとも重要なものとなるだろう。そういう凄味のある詩集が、小さな出版社から、さりげなく刊行された。ほんとに金子さんは憎ったらしいよ。

【著者紹介】
金子光晴 : 詩人。1895年12月25日‐1975年6月30日。1年間の留年を経て暁星中学を卒業後、早稲田大学、東京美術学校(現・東京藝術大学)、慶應義塾大学に学ぶも、いずれも中退。21歳で養父の遺産を得て、25歳で処女詩集『赤土の家』を刊行、その後欧州へ遊学。2年間に及んだこの旅は、ベルギーの日本美術蒐集家の援助もあり、欧州文化を吸収しながらのゆったりとしたものであった。1923年、28歳の時に詩集『こがね虫』を発表し、詩人としての地位を確立。多くの詩集と自叙伝を著す。特に70歳以降の執筆活動は旺盛で、本書をはじめ、40年前の放浪を克明に描いた紀行三部作などを遺した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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