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オートフィクション 集英社文庫

金原ひとみ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087464559
ISBN 10 : 4087464555
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2009
Japan

Product Description

22歳の女性作家・リンが新たに執筆を依頼されたのは自伝的創作=オートフィクションだった──。なにものによっても埋めることのできない、深い孤独を抱えた彼女が語り始めた「オートフィクション」は抹殺したはずの過去を描き出す。切り取られたいくつかの季節と記憶、通り過ぎる男たち。虚実が錯綜し破綻した世界の中で、彼女が見いだしたものとは。著者渾身の傑作長編。

「切り取られた季節は、そのまま、小説家という進行した病の原因を探るカルテのように、私には感じられてならないのです。
山田詠美(解説より)」

Content Description

22歳の女性作家・リンが新たに執筆を依頼されたのは自伝的創作=オートフィクションだった―。なにものによっても埋めることのできない、深い孤独を抱えた彼女が語り始めた「オートフィクション」は抹殺したはずの過去を描き出す。切り取られたいくつかの季節と記憶。通り過ぎる男たち。虚実が錯綜し破綻した世界の中で、彼女が見いだしたものとは。著者渾身の傑作長編。

【著者紹介】
金原ひとみ : 1983年生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞し、デビュー。同作品で04年に第130回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    私の感覚からすれば、書かれたものは多かれ少なかれ、フィクションである。たとえそれがドキュメンタリーであったとしてもだ。事実は1つなどというが、それをどんな角度から見て、どのように語るかによって、全く違ったものになるだろう。故にすべてがフィクションなのである。したがって、あえてオートフィクションと名付けるのは何故かと思う。解説の山田詠美の評価は高いが、多分に同業者的である。私には、書きあぐねた揚げ句、苦し紛れに選ばれた手法であったように見える。それでは、金原ひとみは理解出来ないのかもしれないが。

  • さてさて

    『高原さんの自伝風に、小説を書いてもらえないか』という起点に始まるこの作品。そこには、今を生きるリンの姿から見ると驚きとも言える荒んだ過去のリンの姿が描かれていました。手首に傷を持ちながらも一方で『まあ、明日になったらどうにかなるだろう』とその時その時を生きてきたリンの過去の姿を遡るように描かれたこの作品。かっ飛んだ表現の頻出の一方で、深く内省するような表現の数々の対比が読者を困惑させるこの作品。凝った構成の一方で、あまりのかっ飛びぶりが若干の消化不良のままに終わってしまった、そんな風に感じた作品でした。

  • ゆいまある

    22歳、自立なんてしていない。こんなにも夫に依存。18歳、DJの恋人に依存。酒とクラブに依存。16歳、高校中退して男と同棲。パチンコにも依存。15歳、セックスと薬物に依存。自傷行為。妊娠中絶。過去に向かうほど緊張が増し、刺さる。自伝に見せかけた小説。構成は後に書かれたトリップトラップと共通だが、こちらはヒリヒリしたネガティブな思弁。そして気になっていた中学生時代が書かれる。かねてよりネグレクトされた過去を持つ人だと感じていたが、その片鱗が見える。繰り返しだと言わんばかりのグルーヴ。圧倒的孤独。

  • ころこ

    語彙が拙いが、本作は実に読み易い。内面が伝わらないようにみえる語彙は、成長物語を意図して裏切っている。遡って書かれているのはそのためだ。オートが自分自身ではなく自動書記のことではないか。自動書記が精神分析に使われるように、遡ることで深層に入り込む。だが、読者が支持するのは深層の部分ではない。逆説的にある、どうしようもない表層の部分。それで表現することのこだわりがあり、防衛ラインは明確だ。「あ、どうしよ。私ここまでコミュニケーション取りづらい人と話すの初めてかも」「俺の事?」「うん。あ、何か伝わったね」

  • tenori

    熱量がすごすぎて理解が追いつかない感じ。嫌いな人は絶対に受けつけない。22歳の女性作家・リンの生きざまを15歳まで遡る。オートフィクション≒自伝的創作(作り話し)と解釈するなら、金原ひとみ自身を想像してしまうが、それほど単純ではないだろう。セックスと薬物に依存し、破滅と再生を繰り返す女性の一人語りは時に支離滅裂で時にピュアで、ひたすら異常なまでのオーラに圧倒される。その裏側で読者に冷静な眼差しを向ける金原ひとみが透けて見えるところが恐い。

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